相談事例
取引トラブル
相談内容(2024年9月・青少年男子)
SNSでゲームアカウントを安く売っている人を見つけ、メッセージを送り、決済アプリで先にお金を支払った。すると、他にも欲しがっている人がいると言われ、値上げを要求された。しかし無理だったので断ると、ブロックされて連絡が取れなくなった。
アドバイス
相手にブロックされている状態だとしても、SNSのアカウントがまだ残っているなら、消されないうちにユーザー名などわかっている情報を書き留めておくと良い。保護者に協力してもらい、SNSのダイレクトメッセージで連絡を取ってみることも1つの方法だろう。それでも相手が返金に応じない場合や、詐欺だと考えられるときには警察に相談することもできるだろう。一方で、アカウントを買う行為も規約違反としてゲーム会社から厳しい措置を取られる可能性もある。今後はルールを守って安全に利用してほしい。
ポイント
SNSを利用した個人の取引は安全に成立するケースばかりとは限らず、お金を取られてしまうトラブルが多発している。アプリによる支払いも手軽になり、欲しいものが簡単に手に入るのは魅力的かもしれないが、だまそうとしている人がインターネット上にはたくさんいることを理解し、安易に買おうとすることは避けてほしい。ゲームのアカウントやアイテムの売買に関しては、リアルマネートレーディング(RMT)と呼ばれ、多くのゲーム会社が禁止していることも忘れてはならない。
相談内容(2024年4月・青少年女子)
友達から中古品を買い取ってほしいとSNSを通じて持ちかけられ、自分が先にスマートフォンの決済アプリを利用して送金した。友達からは品物を送ったと連絡があったが数日経っても届かなかった。何度か催促したが曖昧にされており、送るつもりがないのにお金だけ送金させたのではないかと疑い始めている。その友達とは今はSNSだけの繋がりなので対処に困っている。
アドバイス
解決に向けてできることは、相手に発送や返金に応じてもらえるように根気強く連絡を取り続けることだろう。その際、連絡した日時や内容は記録しておくと良い。SNS以外の連絡手段も探してみて、電話やメール、郵便などで連絡をすることも検討してほしい。保護者にも相談して一緒に対応してもらうことも勧める。
ポイント
お互いによく知っている友達関係では、インターネット上でトラブルになっても話し合いで解決できることも多い。特にお金に関する問題は、時間はかかるかもしれないが、約束が果たされるように実際に会って話し合う機会を作ることが大事である。SNSやキャッシュレス決済アプリは、青少年にとっても日常的な道具となっている反面、特に個人同士で金品のやり取りに使うときにはリスクもある。慎重に行動しなければならない場面がたくさんあることを理解しながら利用することが大切である。
相談内容(2023年11月・保護者・青少年男子)
息子のスマートフォンを見て、インターネット上の知らない人とゲームアカウントの売買をしていることがわかった。スマートフォンにキャッシュレス決済アプリを入れたようで、残高が入っていた。メッセージアプリには取引相手とのやり取りや、自分の身分証明書の画像を送った履歴も残っていた。止めさせたいがどうしたら良いか。
アドバイス
大抵のゲームではアカウントの売買を禁止行為としている。また、他人のIDやパスワードを入手してアカウントを利用した場合には、不正アクセス禁止法に触れる場合もある。小遣い目的でお互い同意のうえで取引が成立したとしても、ゲームの利用規約に沿ってアカウントを凍結される可能性などもあり、危険な行為だということを話し合えると良い。今回の出来事をきっかけに、あらためてスマートフォンを使う目的を確認し、親子でルールを話し合うこと、ルールを守りやすくするために機能制限(ペアレンタルコントロール)を利用することも検討すると良いだろう。
ポイント
ゲームやSNSなどの「アカウント」は、運営会社から提供されているものなので、売買や譲渡をすることは規約違反となる可能性がある。規約違反をしてしまうと、トラブルに巻き込まれても救済されない可能性も十分にあるため、正規の手続きを取らない行為はやってはいけないことだと理解してほしい。スマートフォンのキャッシュレス決済が一般的になり、お金のやり取りも手軽になってきているが、信頼できる相手かどうかわからない人との取引は避けるべきだろう。
相談内容(2023年8月・青少年女子)
誰でも参加できるチャットグループでグッズ交換のトークルームに入り、知り合った人からグッズを買ってほしいと言われた。別のSNSで個別にやり取りを進めて現金を送ったが、相手からグッズが届かない。お金を返してほしい。
アドバイス
お金を返してもらうためにも、取引時の画面、やり取りの内容、お金の送付先の情報などを持って保護者と一緒に警察へ相談することを勧める。ほかにも、相手のSNSのアカウントがまだ残っているようであれば、相手に対してできることもあるかもしれないので相手に関する情報も整理しておくと良い。アカウントがなくなっている場合でも、思い出せる情報を書き出しておくと良い。一人で解決しようとせずに、社会経験のある保護者や信用できる大人の力を借りることが解決への近道だと考えてほしい。
ポイント
インターネットの向こう側にいる人がどこの誰なのか本当のことはわからず、グッズ交換のように青少年が集まりやすい場所では、未熟な青少年を狙っている人もいるかもしれないので注意してほしい。個人同士のトラブルにはサイト側の支援が得られず、自己責任で解決しなければいけないことも多い。大人でもトラブルになってしまうのがインターネット上の個人同士の取引であることを理解し、欲しいものが見つかったとしても安易に取引に応じるのは避けたほうが良い。
相談内容(2023年5月・保護者・青少年女子)
娘がSNSで作品を売っている人を見つけ、友達を通して売ってもらう約束をして勝手にお金を前払いしていた。娘のSNSを見ると、支払いや届く予定についてメッセージのやり取りをしていた。相手とは面識がなく、SNSのプロフィール情報しかわからない。これからどんなトラブルが想定されるのか、対処法や予防策を知りたい。
アドバイス
SNSの相手がどんな人なのかプロフィールや投稿だけでは判断が難しい。相手が約束を守る保証はなく、販売サイトを通さない個人同士の取引では、トラブルがあっても自己責任になってしまうとともに、相手に伝えた個人情報がどのように使われるのかも相手次第になってしまう。現時点でできることは、相手に関する情報、やり取りの履歴、お金を支払った証拠などを消さずに保存しておくこと、必要のない個人情報はこれ以上安易に教えないことである。相手が約束を守ってトラブルがなかったとしても、たまたまうまくいったと考えて、この機会により安全な利用について家族で話し合えると良い。
ポイント
SNSを通じて個人から何かを買う場合の一番のリスクは、相手が信頼できる人かを見極めるのが難しい点だろう。お金を支払ったあとで相手と連絡が取れないままあきらめなくてはいけなくなる可能性や、名前や連絡先を教えることで不安やトラブルの原因になることもある。個人の作品など欲しいものに出会えるのはSNSの楽しい一面であるが、正式な販売サイトから購入する場合との違いを安全の面から親子でしっかり理解しておくことが大事である。
※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。