相談事例

依存

相談内容(2024年11月・保護者・青少年男子)

息子のインターネットやゲームの利用時間が長いのだが、適切な利用時間はどのくらいなのか。通話アプリで複数の友人と話しながら何時間もゲームをしており、食事や入浴の声をかけても止めず生活が乱れている。夜も利用できる時間のルールを決めているが、すぐに止められずに延ばされる。

アドバイス

インターネットやゲームの適切な利用時間は各家庭に委ねられているが、大切なことは、終了時間のルールを守ることや、生活習慣がおろそかにならないようにすることである。家族全員でルールを話し合って決め、守れなかったときのルールも同時に決めることを勧める。フィルタリングやペアレンタルコントロール(機能制限)によって機械的に時間を制限することも検討してほしい。特にフィルタリングについては、保護者が希望しない場合を除き、子供の端末に設定することが法律で義務付けられているので利用してほしい。

ポイント

長時間のゲームで日常生活や勉強に支障が出ていたり、心身の健康を損ねていたり、家族関係が悪化しているという相談はとても多い。状況が深刻化する前に保護者にできる対策は、親子で利用ルールや1日の過ごし方を見直すことと、フィルタリングやペアレンタルコントロール(機能制限)を導入することである。冬休みなど長期の休み中に生活リズムを崩さないよう、休みに入る前に、スマートフォン、インターネット、ゲームとの付き合い方の見直しができると良い。

相談内容(2024年6月・保護者・青少年男子)

息子がスマートフォンを手離さず、ゲーム中心の生活になっている。時間制限の機能を利用しているが、使えない時間になると暴力的になり制限を解除してほしいと要求する。制限を解除する代わりに自分で時間を管理する約束をしたが、結局、ゲームを優先してしまい、やるべきことができなくなっている。

アドバイス

フィルタリングやペアレンタルコントロール(機能制限)によって機械的に時間を制限するのが適切な管理方法であるため、これからも続けてほしい。スマートフォンやゲームに振り回されないために、1日24時間をどのように過ごすのかを親子で話し合いながら、利用ルールを本人に決めてもらうことを勧める。こたエールホームページに掲載の「睡眠&生活チェックシート」も参考にしてほしい。家庭だけでは解決が難しいと感じるようであれば、医療機関に相談することを勧める。

ポイント

スマートフォンやインターネットが生活に不可欠な道具であると同時に、子供は長時間利用の影響を受けやすく、 特にゲーム依存は低年齢化が懸念されている(「ゲーム障害」という疾病として世界保健機関(WHO)によって認定されている)。このため保護者の適切な見守りは必要であり、フィルタリングやペアレンタルコントロール(機能制限)の役割も大きい。子供と対話をしながら、使って良い時間や場所、アプリについて親子で合意をとりながら、機械による制限を活用して予防につなげることが大事である。

相談内容(2024年1月・青少年女子)

今まで勉強を頑張っていたが、進学してから成績が下がってしまった。勉強しようと思うとやる気が失せてスマートフォンで動画を見てしまい、勉強時間が足りず成績が下がっている。このような悪循環を断つにはどうしたら良いか。

アドバイス

動画の見過ぎを何とかしたいと思っているのは立派であり、現状を自覚できていることが改善への第一歩である。1日の中でどの時間帯に何時間ぐらい動画やインターネットを見ているか振り返ってみることを勧める。こたエールホームページに掲載の「睡眠&生活チェックシート」も参考にしてほしい。勉強へのやる気が起きないとしても、1日の過ごし方を振り返り、食事や睡眠、趣味の時間など、インターネット以外のことにも目を向けられると良いだろう。フィルタリングや時間制限の機能も利用してみることを勧める。

ポイント

勉強や友達関係の悩みなど現実世界で葛藤があり、逃避のためにゲーム、SNS、動画視聴に時間を使い過ぎてしまう青少年は多いと思われる。その結果、本来やるべきことに支障が出ていると自分自身で気づいたら、生活を立て直すチャンスだと考えてほしい。利用しているアプリごとに時間制限を設定したり、決めた時間以降は端末を使えなくするなど機械的な対策を活用すると良い。無理をせず少しずつ、一人だけで頑張るのではなく保護者や家族にも協力してもらうと良いだろう。

相談内容(2023年7月・青少年女子)

SNSアプリでショート動画を見過ぎてしまうので時間を減らしたい。見る時間を決めているがいつの間にか過ぎてしまう。家のルールで勉強が終わってから見る約束になっており、そのルールは守っている。

アドバイス

見過ぎを防ぐには、スマートフォンやタブレットにある時間制限の機能を利用するのが有効である。たとえば、アプリごとに1日の使用時間を制限したり、特定のアプリしか使えなくなるように時間帯を設定するなどができるので試してみると良い。また、SNS側にもペアレンタルコントロール(機能制限)があるものや、使用時間を制限できるものもあるので活用することを勧める。困っている状況を保護者にも相談して協力してもらってほしい。

ポイント

1つ1つは短い動画でも、おすすめ機能などで紹介されて次々と見ているうちに、時間を消費してしまいがちである。夏休み中は特にインターネットに触れる時間が長くなりやすいため、対策ができると良い。1日の過ごし方、インターネットを見る時間、見ない時間の計画を立て、計画に沿ってフィルタリングや時間制限の機能も活用して見過ぎを防いでほしい。

相談内容(2023年1月・保護者・青少年女子)

学校の宿題用にタブレットを購入したが、何時間たっても終わらずにずっとタブレットを見続けている。宿題につまずいているなら一緒に見てあげると言っても拒否する。おそらくゲームや動画を見るなど、ほかのことをやっているとしか考えられないが、取り上げようとすると大騒ぎする。

アドバイス

保護者ができることとして、まずタブレットの使用状況を把握するために、端末内のレポート機能を設定、利用することを勧める。何のアプリにどのくらい時間を使っているのかを見ることができ、その結果に応じて、特定のアプリの利用やダウンロードを制限したり、時間を制限するなどの対策ができるようになる。子供が勉強に集中できるように、適切な環境を保護者が作ることで改善のきっかけにしてほしい。

ポイント

タブレット学習の良いところは、子供が時間や場所に制限されずにオンラインサービスや学習アプリを使いながら勉強や宿題に取り組める点だろう。その反面、インターネット上には動画やゲームなど魅力的なコンテンツが無数にあるため、学習時間との切り替えが難しい。本来やるべきことに集中するのが難しいようだと感じたら、子供が使える機能を制限することも必要かもしれない。タブレットやインターネットの利用目的を親子で話し合うことと、フィルタリングやぺアレンタルコントロール(機能制限)を活用することが有効である。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。