相談事例

フィルタリング関係

相談内容(2025年5月・保護者・青少年男子)

娘にスマートフォンを持たせるにあたり、知らない人とやり取りをしてはいけないというルールを決めたが、数人の友達と一緒に推し活関連のチャットルームを作っていることがわかった。匿名だがグループ内のやり取りだけではなく、知らない人とも交流しているようだ。

アドバイス

決めたルールが守られるためには、インターネット上で知らない人と交流することでどんな危険が考えられるのかを、大人が子供にわかりやすく伝え、子供が納得できるルールにすることが望ましい。その上で、フィルタリングやペアレンタルコントロール(機能制限)の活用を勧める。子供がどうしても使いたいというときには、保護者側で一時的にアプリの制限を解除したり、時間を延長することもできるので、その都度親子で対話をしながら決めてほしい。

ポイント

匿名のチャットルームは、青少年にとっては楽しいコミュニケーションツールになっているが、適切に利用しなければ、悪意を持った人と出会ってしまうなど、トラブルにつながる危険も潜んでいる。このため利用を許可するかどうかや、許可する場合の利用ルールは、子供の年齢と成長度に合わせて話し合いで決める必要があるだろう。決めたルールが守られていないときには、一方的に叱るのではなく、なぜそのルールが必要だったのかを再度話し合い、ルールの範囲内での楽しみ方を親子で考える機会にできると良いだろう。

相談内容(2024年12月・保護者・青少年男子)

最近スマートフォンの契約をして息子に持たせた。まだ使い方に不安が多いので、使えるアプリや時間を制限しているが、解除してほしいとせがまれることも多い。友達と外出する予定があり、その時だけは制限を解除してほしいと言うので困っている。

アドバイス

フィルタリングの利用は「青少年インターネット環境整備法」で定められており、保護者の意向で使わない選択肢もあるが、安全のために利用してほしい。フィルタリングによって、子供の年齢にふさわしくないサイトの閲覧やサービスが制限対象になるが、個別設定もあるので詳しくは契約している携帯電話事業者に問い合わせると良いだろう。フィルタリングと併せて有効なのがペアレンタルコントロール(機能制限)であり、利用できる機能(アプリ、ゲーム課金、ショッピング等)や時間を制限する仕組みである。子供が納得した上でスマートフォンを利用できるように家庭で十分に話し合いながら、両方うまく活用してほしい。

ポイント

フィルタリングやペアレンタルコントロールは子供を危険から守る存在だが、制限が厳し過ぎたり一方的に押し付けられると、子供にとっては自由を奪う存在となってしまう。子供が納得した上で活用できるように家庭で十分に話し合いながら、使って良いアプリや時間を決めることが大事である。一方で子供本人も、保護者の信用を得るために、決めたルールはきちんと守っていく必要がある。自由を増やすのも失うのも自分次第だと理解してもらい、子供自身で管理できるように促せるのが理想である。

相談内容(2024年8月・保護者・青少年女子)

スマートフォンのルールを決め利用するアプリも制限しているが、メッセージアプリの利用時間が守られていない。家族との連絡用にも使うので時間制限はしたくないが、ルールを守れないことで親子の口論が絶えない。

アドバイス

決めた時間はしっかり守らせることが大事だが、守りにくくなっているようであれば見直しをするのも良いだろう。ルールの見直しをするときには、守れなかったときのためにルールを二重化しておくと良い。保護者の一方的な意見ではなく、親子で話し合いをしてほしい。また、フィルタリングやペアレンタルコントロール(機能制限)を利用して、利用時間を機械的に制限することも勧める。

ポイント

スマートフォンやインターネットを使いすぎて日常生活を振り回されないように、利用時間のルールをしっかり決めることが大事だが、決めたルールを守りやすくする仕組みがフィルタリングやペアレンタルコントロール(機能制限)である。利用時間は、曜日ごとに設定したり、休日用と平日用など、生活スタイルに合わせて設定することができる。例外的に時間を延ばしてほしいときには、その都度、保護者が設定することもできるので、親子で対話をしながらうまく活用してほしい。

相談内容(2024年3月・保護者・青少年女子)

娘のスマートフォンにはフィルタリングが入っているはずだが、SNSを夜遅くまで利用している。友達だけでなく成人男性ともやり取りをしているようだ。SNSの広告から高額な商品を購入して自宅に届いたこともある。このままだと依存気味になってしまうと注意し、一時的にスマートフォンを預かっているが、返すタイミングや今後の使用制限をどうしたら良いか。

アドバイス

この機会にあらためて、スマートフォンの使用目的を明確にして、使って良い時間、場所、アプリ、やり取りできる友達の範囲などのルールを本人主導で話し合ってほしい。ルールを決める時には、守れなかった時のルールも決めておくと良い。フィルタリングの状況についても見直しをすることを勧める。SNSの使用制限のほか、課金やショッピングについても禁止設定ができ、詳しくは携帯電話会社にも問い合わせてみることを勧める。

ポイント

フィルタリングの便利なところは、子供に使わせたくないアプリやサイトを制限できることだが、有効活用するためには、その後の見守りや子供との対話も大切である。子供の年齢や成長に合わせて、利用を許可するアプリや時間などを見直すこと、子供が使いたい新しいアプリがあるときには、子供から申請をしてもらい、許可して良いかどうかをコミュニケーションを取りながら決められることが望ましい。

相談内容(2023年9月・保護者・青少年男子)

子供が学校から支給されたタブレットを自宅で使用しており、時間を守れずに苦労している。タブレットの利用時間や、動画アプリを見ない時間を設定したい。

アドバイス

端末内のペアレンタルコントロール機能を使って保護者が管理できることがたくさんある。たとえば、特定のアプリの利用を制限したり、端末自体の利用時間、休止時間を設定することができるので活用してほしい。詳しい手順については学校へ問い合わせることもできるが、メーカーのサポートにも問い合わせると良いだろう。

ポイント

青少年の端末について保護者が使い方を管理することや、管理する機能のことを「ペアレンタルコントロール」という。ペアレンタルコントロールはスマートフォン、タブレット、ゲーム機などの端末側で設定でき、利用を許可するアプリ、利用時間、制限する機能等を細かく管理することができる。優れた機能だが、有効活用するためには保護者が一方的に設定するのではなく、親子での話し合いのもと、使って良い時間帯や使って良いアプリについてルールを決め、そのルールに合わせて設定することが大事なポイントである。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。