相談事例
性的トラブル
相談内容(2025年5月・保護者・青少年女子)
娘が同級生男子に、顔は写っていないが性的な自画撮り写真をメッセージアプリを通じて送っていた。その後、写真が拡散されていたことがわかり、相手の保護者に連絡して送った写真を端末から削除してもらった。しかしすでに写真がどこまで広がっているかわからなくなっているため、今後どのように対処したら良いか。
アドバイス
18歳未満の裸の写真は児童ポルノにあたり、撮影、送信させることは違法であり、拡散させる行為も違法の可能性がある。さらに東京都では不当に要求する行為も条例違反となる。拡散が広がるにつれて取り返すことがより困難になるため、自宅を管轄する警察になるべく早く相談してほしい。顔が写っていなくても、今後どのように使われるのかを自分ではコントロールができないことから、悪用やトラブルを避けるために、確実に消すことが最優先だと考えてほしい。
ポイント
児童ポルノは法律で厳しく規制されているが、1対1のやり取りは周囲から見えにくく、保護者が気づかないままトラブルになり深刻化してしまうケースも多い。子供の自画撮り被害に気付いたら、一刻も早く警察に相談して被害を食い止めることを優先してほしい。デジタル写真は一人だけに送信したつもりでも、メッセージアプリやSNSを通じて不特定多数に広がってしまうリスクがあるため、被害にあわないためには、どんな理由があっても自分の性的な写真を誰にも送ってはいけないこと、撮影もしてはいけないことを家庭で話し合ってほしい。
相談内容(2024年12月・保護者・青少年女子)
娘のSNSに友達のアカウントから相談のメッセージが届き、相談に答えていくうちに裸の写真を送ってしまったが、乗っ取られたアカウントだったとわかった。アカウントやメッセージはすでに削除してしまい、警察に相談するべきか悩んでいる。
アドバイス
18歳未満の裸の写真は児童ポルノにあたり、撮影、送信させることは違法であり、不当に要求する行為でも東京都では条例違反となる。アカウントを乗っ取る行為も違法であるため、警察に相談することを勧める。送ってしまった写真を取り戻したり、取り消したりすることは困難だが、警察が捜査をすることで削除や拡散を防げる可能性もあるため、自宅を管轄する警察署に迷わずに相談してほしい。
ポイント
日常的にやり取りをしている友達のSNSアカウントが乗っ取られていると気づくのは難しく、警戒心を持たずに性的な自画撮りを送信させられてしまうトラブルは増えている。被害を防ぐためには、相手が誰であっても、どのような理由があっても、性的な画像や動画を相手に送らないこと、要求されても断ること、自ら撮影しないことが大切である。SNSと安全に付き合うためのルールについても家庭で話し合いができると良い。
相談内容(2024年11月・青少年女子)
友達に誘われて一緒にライブ配信をしていたら、下着を脱いでくれたらお金をあげるとか、裸の画像を送ってくれたらプレゼントを買ってあげるなど、不愉快なコメントが投稿されてきた。危ないアプリだと思い削除した。
アドバイス
アプリの利用規約に犯罪関連の行為が禁止されており、未成年者に性的な要求をすることが禁止されている。このため、危ないと思ったことや、アプリを削除したことは正しい対応である。今回の出来事を保護者にも話し、必要であれば警察にも相談すると良いだろう。今後同じようなトラブルに巻き込まれないためにも、利用しようとしているアプリについては保護者と一緒に利用規約(ルール)をよく読み、安全なアプリかどうかを確認したうえで利用できると良い。
ポイント
ライブ配信はテレビの生放送のように映像の編集ができず、視聴者からのコメントもリアルタイムで届くため危険な場面がたくさんある。配信を見ている人を選んだり、相手の行為を止めることもできないため、この事例のように性的な要求をされる被害や、個人情報を聞かれたり、コメントやメッセージによる嫌がらせなど、気を付けていても避けられないトラブルも多い。不安を感じたらすぐに配信を中止するなど安全な行動をとってほしい。
相談内容(2024年7月・青少年男子)
SNSで知り合った人に自分の裸の写真を送ってしまった。相手から拡散されたくなければ電子マネーでお金を払えと言われて一度払ったが、相手の要求はまだ続いている。
アドバイス
18歳未満の青少年の裸の写真は児童ポルノであり、性的欲求を満たす目的で所持することは法律で禁止されている。さらに、その写真を拡散すると脅すことは脅迫にあたる可能性がある。相手から写真を取り戻すことは自力では難しいため、拡散の被害を防ぐためにも、一刻も早く自宅を管轄する警察に相談してほしい。やり取りの内容は消さずに保存し、相手に伝えた自分の情報を整理しておくと良い。
ポイント
SNSやインターネットの利用時間が増える夏休みに特に注意してほしいトラブルの1つが、性的な写真や動画を送ってしまう自画撮り被害である。その中で、性的な自画撮りを送った相手から脅され、拡散されたくなければお金を払うように要求されてしまう被害はセクストーション(性的脅迫)と呼ばれている。お金を支払ったとしても相手から写真や動画を取り戻せるとは限らず、要求がエスカレートすることも考えられる。要求には応じないことが大事だが、お金を払ってしまった場合も迷わずに警察へ相談してほしい。
相談内容(2024年4月・青少年女子)
SNSで知り合った人に、お金を払うと言われ面白半分で裸の写真を送ってしまった。その後、これ以上写真は送れないと断ると、送らなければ写真とSNSアカウントを拡散する、ブロックもさせないと脅された。
アドバイス
未成年者に性的な自画撮りを送信させることやそれを所持することは児童ポルノ禁止法で禁止されている。また、東京都では児童ポルノを不当に求めることも条例で禁止されている。このため、相手がどんなことを言ってきたとしても絶対に要求に応じてはいけない。これ以上被害を大きくしないためにも、すぐに警察へ相談をしてほしい。把握している状況を時系列で思い出せる限りメモに書き出し、やり取りなどが残っているのであれば消さずにスクリーンショット等も使って保存しておくことを勧める。
ポイント
お金をあげるなどと言い性的な自画撮りを送信させる行為は、青少年の心理を巧みに利用していることから「グルーミング」とも呼ばれている。SNSを通じて親切な言葉で近づいてきた人に性的な写真や動画を要求され、送ったあとで相手の態度が一変して被害に巻き込まれてしまう事例は多い。性的な自画撮りを送っていることで自分を責めてしまう青少年も多いが、このようなトラブルでは青少年は被害者であり、警察への相談をためらわないでほしい。
※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。