相談事例

取引トラブル

相談内容(2022年11月・保護者・青少年女子)

娘がコンサートチケットを購入したが、行けなくなったのでSNSで買い手を募集した。すると、欲しいという人が現れたので、相手にダイレクトメッセージで振込先の口座番号を教え、入金してもらう約束をした。相手の身元は免許証の画像が送られてきたので確認し、娘から先に電子チケットのデータを渡した。しかし約束の日になっても振り込まれていなかった。SNSはブロックされ、メッセージも届かなくなってしまった。

アドバイス

相手にSNSをブロックされていることから、連絡手段は限られているかもしれないが、代金の回収に向けて相手への催促を続けることを勧める。対応に迷うようであれば弁護士へ相談するのが良いかもしれない。あるいは市区町村で実施されている無料法律相談なども利用して、相手との話し合いや催促のための書類の送付方法などを相談すると良いだろう。

ポイント

SNSを通じて個人同士で簡単に取引ができるが、リスクも多いことを理解してほしい。また、コンサートチケットの場合は、主催者が定める以外の手段での転売を禁止していることがあり、売ることも買うことも規約違反となる可能性があるので注意しなければならない。転売が認められている場合でも、インターネット上の取引相手が約束を守る保証はなく、トラブルがあっても自己責任になってしまう。この機会に安全な利用について家族で話し合えると良い。

相談内容(2022年9月・保護者・青少年女子)

娘が掲示板で知り合った人とグッズ交換をすることになった。メッセージアプリの連絡先を交換し、送り先の住所を教え合って送ったが、相手からのグッズが届かない。催促もしているが進展がない。グッズを持っていないなら、こちらから送ったグッズ相当のお金を返してほしいことも伝えている。今後どうすればいいか。

アドバイス

インターネット上で知り合った相手であっても、取引をしたのは個人間のやり取りであるため、サイトの運営会社などが関与して解決することが困難な問題である。相手と連絡が取れているのであれば、引き続き催促をして解決していくことになる。対応が難しいようであれば、弁護士へ相談するのが良いかもしれない。まずは市区町村で実施されている無料法律相談などを利用してみることを勧める。相手との話し合いや催促のための書類の送付などについて教えてもらうと良いだろう。

ポイント

同じ趣味を持つ人同士が集まる掲示板やコミュニティサイトでは、グッズ交換の対話も活発に行われている。欲しかったものを入手できる貴重な機会になっているが、注意してほしいのは、取引相手が信頼できる人かを見極めるのはとても難しいということである。相手の名前や住所などの本人確認ができていたとしても、インターネット上だけの関係では約束が守られなかったときに解決が困難になることも多い。個人間の取引は自己責任であることを念頭に入れて、欲しいものが見つかったとしても安易に応じるのは避けたほうが良い。

相談内容(2022年5月・青少年男子)

グループチャットで知り合った人とお互いが持っているゲームアカウントを交換しようということになり、個別のチャットでやり取りをしていた。しかし、ゲームアカウントを渡す段階で個人情報などを伝えることが怖くなり、交換を中止しようと相手に伝えた。すると相手が怒り、お金を支払えと脅されている。

アドバイス

相手との話し合いによって解決できるのが一番良いが、相手が話し合いに応じようとせず、脅したり、不安にさせて金銭を支払うように仕向けていることから、アプリのブロック機能を利用して相手との連絡を断つことも1つの方法である。個人情報を知らせなかったのは正しい判断である。トラブルのきっかけとなったゲームアカウントの交換はゲーム会社の多くが禁止している。利用規約に反した行為をしてしまうと、トラブルがあったときにゲーム会社に救済を求められなくなる可能性もあるので、これからは気をつけてほしい。

ポイント

インターネットを通じて、自分が欲しいものを持っている人、自分が持っているものを欲しがっている人を簡単に見つけることができるようになった。しかし個人同士の取引には交渉の難しさや、相手に騙されるなど危険な面があることも忘れてはならない。ゲームアカウントの場合は、アカウント情報を教えた直後に相手と連絡が取れなくなり、ログインもできなくなってしまう被害が多発している。また、ほとんどのゲームではアカウントの売買や交換は禁止行為とされている。禁止行為をしてしまうことでゲームができなくなってしまう可能性があることも理解しておく必要がある。

相談内容(2022年1月・青少年女子)

お小遣いがほしくてSNSで副業を探していたら、毎日数万円稼げると書かれたアカウントを見つけ、初期費用を支払わなければいけないと言われたが、始めてみたいと伝えてしまった。しかしその後、初期費用がすぐに支払える金額ではなかったため、相手からのメッセージを無視していた。すると高額なキャンセル料金を要求された。

アドバイス

相手に副業を始めてみたいと連絡したとしても、雇用契約や業務委託契約など契約書上で双方が合意をするのが一般的である。このような契約行為をしていないのであれば、契約は成立しているとは言えないかもしれない。契約が成立していなければキャンセルの必要もないので、安易に支払わないでほしい。また、民法により、未成年者が保護者の同意を得ずになされた契約は取り消しができることも参考にすると良い。

ポイント

SNS上で見かける「簡単に稼げる」といった副業の広告や勧誘には注意してほしい。SNS上の情報を信用して良いのかを判断するのは難しく、情報をうのみにしてしまった結果、高額商品を購入させられたり、出会い系サイトに誘導されるなどだまされてしまうトラブルが増えている。この事例のように、初期費用としてお金を支払わせる手口も見られる。一度支払ってしまったお金は取り戻すことが難しいため安易に信用することは危険である。SNSのダイレクトメッセージで副業を勧誘されるパターンもあるが、知らない人からの誘いは迷惑メールだと考えて無視することが安全な対応である。なお、未成年者、年少者、児童を雇用し、労働させるにあたっては、さまざまな法律で決められた保護規定や制約があるため、報酬を得る仕事をする場合には必ず保護者に相談をしてほしい。

相談内容(2021年10月・保護者・青少年女子)

子供がオンラインゲーム内でアイテム交換をしようとしたが、自分はアイテムを持っていないのに相手からもらうことを繰り返していたようだ。相手に謝罪をしたが許してもらえず、運営側に通報すると言われた。お詫びをしてアイテムを返したいが、アプリを削除してしまったのでどうしたら良いか。

アドバイス

ゲームアプリのアカウントを削除していなければ、再度ログインしてゲームを再開することができるので、相手を探すことができるかもしれない。端末の画面からアプリを削除しただけなのか、退会やアカウント削除までしてしまったのか確認することを勧める。アプリやアカウントの状況によっては謝罪や返品ができない可能性もあるが、ウソをついてアイテムを手に入れた行為は良くないことなので、同じことを繰り返さないように家庭でしっかりルールとマナーについてお話し合いをしてほしい。

ポイント

オンラインゲームのアイテム交換は、ゲーム内であっても運営会社が禁止している場合もあるので、ゲームで遊ぶ前に利用規約を親子でよく読み、理解しておくことが大事である。禁止行為をしてしまうと、利用停止やアカウント削除などの措置が取られるだけでなく、トラブルや被害にあったときに運営会社に助けてもらうことが難しくなってしまうので注意が必要である。オンラインゲーム上も、他の利用者と出会ったりコミュニケーションが生じる場所だと考えて、知らない人との取引はしないなど、安全に遊ぶためのルールを決めておくと良いだろう。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。