相談事例
フィルタリング関係
相談内容(2022年1月・青少年女子の保護者)
家族や友達との連絡に必要だと思いルールを決めてスマートフォンを持たせている。しかし、しばらくたつとルールが守れなくなり、解約をしようとすると反発して親子喧嘩の繰り返しが続いている。ルールは娘本人が作成したが、その内容を保護者が手直しをして決めた。
アドバイス
あらためてスマートフォンの利用ルールのお話し合いをしてほしい。その際、子供本人に宣言させることと、守られなかったときのためにルールを二重にすることを勧める。たとえばルールが守られなかったときにはスマートフォンを保護者に預けるなどである。二重のルールは罰則ではなく、約束事として必ず実施することが大事である。決めたルールを守りやすくするために、フィルタリングとペアレンタルコントロール(機能制限)、時間制限の利用も検討してほしい。
ポイント
子供にスマートフォンを持たせるときに必ず決めておきたいのが、1日の利用時間や時間帯のルールである。1日は24時間と限りがあるので、スマートフォンばかりの生活にならないように家庭でしっかり話し合ってほしい。ルールを子供が守れない場合は、ルール自体が守りにくい内容になっていないか見直しをしてみることも必要である。状況次第でルールの変更もあり得ることを約束しておくと良い。
相談内容(2021年9月・青少年男子の保護者)
学校から支給されたタブレットを利用している。最初は慎重に使っていたが、ゲームをするようになり、今は止められなくなっている。タブレットで時間制限などはできないのか。
アドバイス
タブレット自体には各種の制限をかけることができる。たとえばフィルタリングを利用することで、見ても良いサイトやアプリを制限したり、ダウンロードの制限や課金の制限などができる。ペアレンタルコントロールを利用することで、タブレットの時間制限などもできる。こうした制限は本来は保護者が設定するものだが、学校から支給されている機器なので、学校側が制限しており保護者側が設定できない可能性もある。この点は学校に問い合わせてほしい。
ポイント
学校から支給されているタブレットであっても、1日の利用時間の目安や、利用するアプリの判断は家庭ごとに異なる。保護者にとっては負担が大きいかもしれないが、学校が設定している制限のほかに、家庭でのルールや約束事も親子で決め、機器やインターネットの利用状況を見守ってほしい。ルールを守りやすくする仕組みがフィルタリングやペアレンタルコントロールであるが、保護者側で機械的な制限ができない場合には、具体的にどのようなことに困っているのかを学校側に伝え、学習目的以外のアプリをダウンロードできないような設定や、深夜・早朝の時間制限などについて検討してもらえると良いだろう。
相談内容(2021年6月・青少年の保護者)
学校より教材としてタブレットが支給された。課題やリモート学習に利用される予定だが、まだ使用するアプリや利用方法、利用ルールが決まっておらず、動画ばかり見ていて勉強に集中できずにいる。機能制限を付けてほしい。
アドバイス
配布された端末のフィルタリングやペアレンタルコントロール(機能制限)の設定状況について、学校へ問い合わせることを勧める。学校側で制限がかけられておらず、その管理が保護者側にあるのであれば、家庭でフィルタリングやペアレンタルコントロール(機能制限)を設定することになる。すでに機能制限をされた状態で配布されている場合には、保護者が設定の追加・変更を行うことは困難だと思われる。もし制限をされていない場合、保護者の判断で家庭のルールに沿った制限をかけても授業等に支障がないのか確認できると良い。学校で預かってもらえるのかなど個別の対応についても相談すると良いだろう。
ポイント
学校支給のデジタル端末は子供の遊び道具に使うことは想定されていないはずだが、制限がない状態では、動画、ゲーム、不適切なコンテンツにも自由にアクセスができてしまう。長時間利用や課金なども懸念されるため、フィルタリングやペアレンタルコントロール(機能制限)の利用は必須である。デジタル端末の活用はまだ試行錯誤が続いている取り組みだが、子供が安心してインターネット学習に集中できるよう、家庭で疑問や不安があれば学校へお問い合わせをしてほしい。
相談内容(2020年12月・青少年男子の保護者)
子供にPCとテレビで動画サイトを見せているが、動画サイト内を検索して成人向けの動画を見ているのがわかった。これを制限するにはどうしたら良いか?また、動画サイト以外にもアダルトサイトを見ているので制限するにはどうしたら良いか。
アドバイス
動画サイトの機能で、成人向けのコンテンツを除外する機能があるので利用することを勧める。ただし動画サイト側は、動画のタイトルなどの情報に基づいて除外していると思われ、すべて防げるわけではないので注意してほしい。アダルトサイトを制限するには、フィルタリングを利用すると良い。フィルタリングは、成人向けサイトなど子供にふさわしくないサイトへのアクセスをブロックする仕組みである。未成年者がインターネットを利用する機器には、フィルタリングを利用することが保護者に義務付けられているので検討すると良い。
ポイント
フィルタリングによって、インターネット上に無数に存在する有害なコンテンツへのアクセスを遮断することができる。保護者の見守りを手助けしてくれる仕組みだと考えて必ず利用してほしい。フィルタリングは青少年が使用する機器にソフトを導入するタイプが一般的だが、WiFiルーター側で設定するタイプなどもあるので、自宅のインターネット環境に合わせて導入方法を選ぶのが良いだろう。
相談内容(2020年11月・青少年男子の保護者)
息子がライブ配信アプリでの「投げ銭」(配信者を応援するための課金機能)を止めずに困っている。スマートフォンでは機能制限を利用しており課金はできないはずだが、自分の部屋に持ち込んで課金をしてしまうようだ。課金をしたらスマートフォンは解約するというルールを決めたが何度も破られている。
アドバイス
フィルタリングやペアレンタルコントロール(機能制限)の利用を勧める。フィルタリングは子供の年齢に適したサイトやアプリを利用する仕組みであり、法律で決められているので利用してほしい。ペアレンタルコントロール(機能制限)を利用するときには、パスワードを保護者が管理するなどして勝手に解除できないように工夫することも勧める。また、一方的に禁止するのではなく、ルールのお話し合いをし、ルールを守りやすくするための制限であることを理解してもらってほしい。これまでのルールも子供が守りやすいものになるように見直してみることを勧める。
ポイント
フィルタリングやペアレンタルコントロールを利用することで、インターネットの利用状況を把握したり、長時間利用を防止したり、子供には使わせたくない機能を制限することができる。機械的な対策は万能ではないが、時間管理の力やルールを守る力を身に付けるための手段として活用できると良い。また、使いたいアプリや機能があればその都度、子供から保護者に解除してほしいと許可を求めるステップが必要になるために、どのように使いたいのかなどを親子で対話するきっかけにもしてほしい。
※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。







