相談事例

著作権関連

相談内容(2022年8月・青少年男子)

好きな歌い手グループを描いたイラストをインターネット上で集めて、そのイラストに自作の音楽をつけて動画サイトに投稿しようと思っている。これは著作権上問題になるのか。

アドバイス

一般的に、インターネット上に掲載されているイラストの利用は「私的利用」の範囲であれば許可される。たとえばイラストを印刷して自分の部屋に貼ったり、スマートフォンの待ち受け画面にするなどは問題ないと考えられる。しかし、イラストに音楽をつけて動画サイトに公開するのは私的利用の範囲を超えるため著作権侵害のおそれがある。トラブルにならないように、著作権者から許可を得る必要があるだろう。

ポイント

インターネット上で自由に閲覧できる画像もそれぞれが著作物であり、描いた人などが著作権を持っている。著作物を「私的利用」の範囲を超えて使うときには、著作権を持っている人の許可を得る必要があることを忘れてはならない。著作物に変更を加えて別の作品を作る行為も、二次創作と呼ばれ著作権上問題になることがある。無断でインターネットやSNSに投稿することは避け、許可された範囲内で楽しむ方法を見つけられると良い。

相談内容(2022年6月・青少年女子)

メッセージアプリで購入したスタンプや、漫画のキャラクターの絵を描いてSNSのプロフィール画像に使用することは著作権の侵害にあたるのか。

アドバイス

スタンプも著作物であり著作権という権利で守られている。このため、一般的に考えると著作権侵害にあたる可能性はある。メッセージアプリの利用規約をよく読み、規約で説明されている以外の使い方はしないほうが良い。キャラクターの絵についても、描いた絵を無断使用することは著作権侵害にあたる可能性があるので、個人で楽しむ以外では使用しないほうが良い。

ポイント

メッセージアプリのスタンプは自分で購入したり、無料で配布されたものであっても、その著作権までが自分のものになるわけではない。著作権は作品を作った人やアプリの運営会社が持っていると考えて、決められたルールを守って取り扱う必要がある。自分だけが楽しむなど限られた範囲内での利用が「私的利用」として認められるケースもあるが、SNSのプロフィール画像に使うことはインターネット上に掲載されているのと同じであり、私的利用にはあたらない可能性がある。プロフィール画像の設定や変更は自由に変えられるが、作者の許可を得ていない画像や写真を選ぶことは避けたほうが安全である。

相談内容(2022年3月・青少年女子)

好きな作家の動画や音楽のファイルを家族が持っていて、それをもらった。家族も友人とのやり取りで手に入れたと聞いたが、この行為は違法になってしまうのか。詳しい経緯がわからないので、利用してはいけないものであればファイルを削除しようと思う。

アドバイス

著作権は、著作者(作った人)が著作物(作ったもの。動画など)を創作したときに自動的に発生する。著作物を利用するときには著作者の許可を得る必要がある。また、著作者は「同一性保持権」も持っており、例外はあるものの、著作者の同意なしには著作物に修正を加えることは許されていない。こうした法律があることをしっかり理解してほしい。なお、一定の要件下では、個人で楽しむ範囲(公表しない)であれば「私的使用のための複製」という特別な例外が認められている。ただし違法にアップロードされていたなど、法律に反する可能性もあるため、出所がわからないコンテンツは利用せずに削除したほうが安全である。

ポイント

動画や音楽のような身近なデータも著作物であり、著作者(作った人)の許可なく利用できる範囲は限られている。デジタルデータはコピーしたり、他人と共有することも簡単にできてしまうが、その行為が作品を作った人の権利を侵害していないか意識することが大切である。違法かもしれないと思ったら、トラブルに発展するのを防ぐために、利用を止めたりデータを削除することが正しい対応である。そのほか、インターネット上で入手できる画像やイラスト素材なども、「フリー」(無料)と書かれていても著作権によって守られている。利用規約をよく読み、ルールを守った使い方をしてほしい。

相談内容(2022年1月・青少年女子)

SNSに投稿されていた作品をトレースして自分のアカウントに載せていたところ、作者の人に知られ、SNSのダイレクトメッセージで連絡があった。削除して謝罪したがすぐには許してもらえなかった。自分のアカウントに謝罪文を載せることを求められたが、すでにアカウントも削除してしまい謝罪文の掲載はできない状態になってしまった。

アドバイス

他人の作品をトレースして作者に無断でSNSに公開することは、著作権上問題となる可能性がある。相手に謝り、許してもらえるように対応することを勧める。解決に向けては、インターネットを通じた文章だけのやり取りはとても難しいため、身近な大人にも相談しながら、より丁寧な言葉遣いをするように心がけてほしい。

ポイント

インターネットやSNSを利用するときに知っておいてほしい重要な法律の1つが著作権法である。著作権制度では、画像、映像、音楽、文章などあらゆるものが保護の対象となるため、インターネット上で簡単に手に入ったとしても、その作品を作った人の権利を守って取り扱う必要がある。自分で作ったものではない作品をSNSに載せるときには、創作した人の許可が得られたもののみとし、ルールとマナーを守ることが大切である。

相談内容(2021年7月・青少年男子)

スマートフォンの壁紙にしたい画像をインターネットで見つけたが、誰がどのようにして掲載したものなのか、出所がわからない。もしも違法にアップロードされた著作権違反の画像だとしたらダウンロードすることも違法になるのか。

アドバイス

著作者の許可を得ずにインターネット上に掲載、配布された画像だとしたら著作権侵害に当たるかもしれないため、はっきりしないままダウンロードして使うことは勧められない。著作権は「私的利用」が認められており、たとえばアニメ作品の公式ホームページから画像をダウンロードして印刷して部屋に貼ったり、自分だけが楽しむ目的でスマートフォンの壁紙にするのは「私的利用」と考えられる。著作者によっては、勝手にダウンロードすることを許可していない場合もあるため公式ホームページに書かれていることを確認してほしい。

ポイント

令和3年1月から著作権法が新しくなり、音楽や映像作品だけでなく、違法ダウンロードの対象が著作物全般(漫画・書籍・論文・コンピュータプログラムなど)に拡大された。スマートフォンの壁紙のような「私的利用」の目的だったとしても、無許可のサイトや出所がはっきりしないものは違法にアップロードされた可能性もあると考えて、ダウンロードすることは避けたほうが良い。違法ダウンロードは、作品を作った人の権利を侵害する行為となることを理解し、その作品を個人的に利用したいときには公式サイトのルールを守って利用することが大事である。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。