相談事例
著作権関連
相談内容(2021年4月・青少年性別不明)
情報収集のためにSNSを使いたいと思っている。プロフィールアイコンを漫画のキャラクター画像にしても良いか。SNSは非公開にして使いたいと考えており、知らない人と繋がる目的で利用することはない。
アドバイス
著作者に無断で著作物を利用することは禁止されており、漫画のキャラクターをSNSのアイコン画像に利用することも著作権侵害となる可能性がある。著作権は「私的利用」が認められており、漫画のキャラクターを印刷して自分の部屋に貼るなど、個人で使用するだけなら著作権侵害にはならない。ただしSNSは、非公開だったとしてもインターネット上にアップロードされているものであり、「私的利用」には当たらない可能性がある。このため、SNSのアイコンに漫画のキャラクターを著作者に無断で利用するのは避けたほうが良い。
ポイント
インターネット上では漫画のキャラクター、好きなアイドル、スポーツ選手などの画像が簡単に手に入り、コピーや編集も簡単にできてしまう。しかしそれらを著作者の許可なくSNSで利用してしまうと、著作権侵害となる恐れがある。残念ながら、無断使用と思われる投稿がSNS上に多数存在しているのが現状だが、著作権侵害は法律違反であることを青少年はしっかり理解してほしい。知らないまま違法行為をしてしまわないように、イラスト、写真、文章、音楽などの作品を載せるときには、著作者の許可を得ているかどうかを必ず確認してほしい。
相談内容(2021年1月・青少年女子)
無料でアニメが見られるサイトを閲覧していたが、調べてみると違法にアップロードされたものかもしれないことがわかった。このようなはサイトは見るだけでも犯罪になるのか。ダウンロードはしていない。
アドバイス
違法にアップロードされたアニメを見るだけで違法とはならないが、ダウンロードは違法であり、刑事罰の対象となる場合もあるのでしっかり理解してほしい。法律が改正され、令和3年1月からは音楽や映像だけではなく、対象となる著作物の範囲が広がった。インターネットを楽しく安全に利用するためには、違法の可能性が高いサイトには閲覧だけであっても近づかないように心がけてほしい。
ポイント
外出自粛が続き、自宅でPC、スマートフォン、タブレットでアニメや漫画を楽しむ機会が増えているかもしれないが、違法にアップロードされた「海賊版サイト」も多いので注意してほしい。アニメや漫画には著作権があり、著作者の許諾を得ずに無断でアップロードすることは違法である。海賊版サイトを見るのは違法ではないものの、権利侵害を助長することにつながる。トラブルに巻き込まれるのを防ぐためにも利用は避けたほうが良いだろう。
相談内容(2020年10月・保護者・青少年女子)
SNSを見ていると、複数人が映っているグループ写真をプロフィール画像に使う人や、加工アプリで勝手に加工されたりするのも見かける。勝手に写真を使われたり、加工されたり、意図しないところで流出したらと思うと怖い。
アドバイス
グループ写真をアイコンにするときには、映っている人全員の同意を得るのがマナーなので、事前に同意を得る必要がある。他人の容姿を無断で加工することもマナー違反だと考えてほしい。アイコンに顔写真を使うことは悪いことではないが、顔写真も個人情報と考えて、風景やイラスト画像などを使うほうがより安全である。
ポイント
友達と撮った写真や集合写真をSNSなどインターネット上で利用するときには、写真に映っている一人一人に、承諾を得ることがマナーだと考えてほしい。載せてほしくない人が一人でもいたら利用しない、あるいは、ぼかしを入れるなどの配慮が必要である。SNSに載せる写真や動画は世界中の人が閲覧する可能性があることまでを意識して、自分や友達の権利をしっかりと守ってほしい。
相談内容(2018年5月・青少年男子)
自分のスマートフォンの壁紙にしたい画像をインターネット上から保存した。壁紙に設定する際に、画像の色やサイズを調整するための編集を行った。あくまで自分のスマートフォンの壁紙にするための編集だが、このようにインターネットから保存した画像を編集することは問題ないか。
アドバイス
著作権は、著作者が著作物を創作したときに自動的に発生する。著作者には「同一性保持権」があり、例外はあるものの、著作者の同意なしには著作物に修正を加えることは許されない。ただし、個人で楽しむ範囲であれば、問題はない。著作物を加工・編集してインターネット上に公開すれば、著作権を侵害する行為となる。編集した壁紙が自分のスマートフォンの壁紙にするためなのであれば、問題ないだろうと思われる。その壁紙をインターネット上に掲載する場合には、その著作者から必ず利用許諾を得る必要がある。
ポイント
今回の相談者について、著作物の取り扱いに関する知識を曖昧なままにしなかった点を褒めるべきだろう。大人でも見落としがちな著作者の権利について、同意なしに修正・加工できるのはどこまでの範囲なのか、正しく確認できたに違いない。身近な友達に対して、もしも他人の権利を侵している人がいたなら、今回のような相談者が正しい著作権の知識を広めてくれるきっかけを作ってくれることを期待したい。
相談内容(2018年3月・青少年女子)
SNSで同じアイドルが好きな人と交流をしている。その人がメッセージアプリを通じてアイドルの画像や動画を送ってくるのだが、それは自分が利用しても良いのか。
アドバイス
画像や動画は著作物と呼ばれ、著作物には作成した著作権者という人がいる。基本的には著作権者の許可なく利用することは法律違反である。なお、自由に使っても良いと著作権者が許可している場合もあるので、著作物によっても変わってくる。個人で楽しむ範囲であれば、私的利用と呼ばれ、許可されることもある。これらのことから、大丈夫な場合もあるとは思うが、他人からもらったものは著作権者の了承が取れていないと考え、利用しない方が安全だろう。
ポイント
インターネット上で自分が好きな画像や動画が見つかれば、それをコピーして入手するのは簡単である。しかし、どこまで利用することが許されるのかは著作権者次第であり、自由に利用できるとは限らない。利用方法によっては、作者の権利を侵害する行為となり、著作権法によって厳しい罰則が定められていることを忘れてはならない。著作権法は青少年にとっては難しい法律だが、著作者の権利を守るための大事な法律であることをしっかりと理解してほしい。
※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。