相談事例
著作権関連
相談内容(2017年9月・青少年女子)
画像投稿アプリ内で画像を検索して、見つけた画像をスマートフォンに保存し、自分の投稿として何枚もアップロードしてしまった。そのうちの1枚は、画像を加工して投稿してしまった。これは著作権法違反にあたるのか。
アドバイス
著作者が著作物を創作したときに自動的に著作権が発生する。その著作物を利用するときには著作者の許可を得なければいけない。また、著作者の同意なしには著作物に修正を加えることは認められていない。著作物であっても、個人で楽しむ範囲であれば「私的複製」という特別な例外が認められ、著作者の許諾を必要としないが、不特定多数が見られる状況であれば、「私的複製」には該当しない。著作者の許可を得ずに無断で公開したり利用したとすれば、著作権違反の可能性があるだろう。
ポイント
青少年に人気の投稿アプリに公開されている様々な画像、映像、文章などのデータは、検索をすれば気に入った作品が簡単に見つかり、スマートフォンなどにダウンロードすることができる。気軽にコピーや転載ができるために意識が薄れがちだが、その作品は誰かの著作物であり、著作権が存在していることを忘れてはならない。著作物は、それを作成した人の大切な財産であり著作権法で守られている。他人の財産を無断で利用すれば、法律違反となることを理解したうえで行動してほしい。
相談内容(2017年6月・青少年女子)
好きなイラスト作品を動画サイトから拾い、画像加工をしてネットに投稿した。最近、そのイラストを描いた人が画像加工等を禁止しているのを知り、急いで投稿を消した。このような場合、訴えられたり、お金を請求されたりするのか?警察に報告されることはあるのか。
アドバイス
著作者の許可を得ずに、公開、無断で利用した著作物については著作権法違反の可能性がある。著作権法違反には刑事罰が定められているが、親告罪である。今回はインターネット上から削除をしたことで、訴えられる可能性は低いだろう。しかし、もし、イラストを描いた人から何らかの連絡があったときには、誠意を持った対応をしてほしい。
ポイント
インターネットに公開されている画像、映像、音楽などの作品は、簡単にコピーできてしまうため、著作物であるという意識が薄れがちだが、無断使用は著作者の権利を侵害する行為であり、著作権法によって厳しい罰則が定められていることを忘れてはならない。たとえ使用が許可されていたとしても、無制限に使用できるとは限らない。著作者がどの程度まで使用を許可しているのか、よく確認する必要がある。
相談内容(2016年12月・青少年女子)
SNSを見ていたら、自分が撮影して非公開のSNSにアップしていた写真と同じものと思われる写真を、トップ画像に使っている人を見つけた。自分の写真が無断で使われていて怖い。他にも写真が悪用されていないか心配だが、相手のアカウントは非公開なので、申請をしないと投稿内容を見ることができない。もし悪口を書かれていたらどうしようと思うと、気になって仕方がない。
アドバイス
写真は簡単にコピーができるので、非公開であっても誰かに使用される可能性はある。写真を使用した目的は分からないが、無断使用だとしたら、SNSの運営会社に著作権侵害の違反報告をすることができる。投稿内容が気になったとしても知らない人と安易に繋がるのは避けたほうが良いだろう。今後、同じような心配事を起こさないためにも、他人に使用されたくない写真は載せないほうが良い。
ポイント
自分が投稿した写真が無断で使用されていたら、誰でも良い気持ちはしないだろう。しかしこのようなトラブルもインターネットに情報を発信していれば起こり得ることである。非公開のSNSであっても、投稿内容は非公開グループ内のメンバーを介して外部に公開されてしまう可能性があり、無断使用を完全に防ぐことは難しい。この事例は被害者側からの相談だが、著作物の扱いに注意しないと、意図せず他人の権利を侵害してしまうこともあり得る。自分が被害者にも加害者にもならないために、著作権はインターネットを利用する上で知っておくべき基本知識の1つだろう。
相談内容(2016年4月・青少年男子)
過去にゲー厶プレイ画面を動画サイトに掲載してしまった。当時は著作権のことをよく知らず、悪いことだと知らなかった。著作権法違反だと知り、すぐに動画を削除しようとしたが、動画サイトを退会したため削除ができない。
アドバイス
ゲームの画面を公開することは著作物の複製に当たり、著作権者の許諾を受けずに行うと著作権侵害になる。すぐに動画を削除した方が良いだろう。サイトの利用規約をよく読み、削除の方法について確認すると良い。自分自身でどうしても削除できない場合は、サイト運営者に削除依頼をすることができるだろう。
ポイント
著作物の取り扱いは、大人でも見落としがちだが、インターネットを利用するうえで大事なことである。書籍、音楽、映像など、作品には著作者が存在し、作品の著作権を持っていることを忘れてはならない。著作物を許可なくインターネット上に公開することは、著作者の権利を侵害してしまう行為である。インターネット上で自分から情報を発信することが簡単にできるようになった現在、情報発信によって他人の権利を侵害しないために、著作権についても家庭でしっかりと話し合いができると良い。
相談内容(2015年11月・青少年男子)
以前、自分が作成した動画にCD音源をのせてインターネット上の投稿サイトに公開してしまった。問題の動画が今も残っているのか自分で消したのかは覚えていない。他人のホームページの画像や文章を載せてしまったこともある。このようなことから、著作権侵害をしてしまったのか不安。
アドバイス
音楽、ホームページのデザイン、ゲームなどの作品は著作物にあたる。著作物を利用するときにはその著作者の許可を得なければいけない。動画にCDの曲を付けてインターネットに投稿することや、インターネットに他のホームページの画像や文章を添付することについては著作権侵害の可能性があるだろう。自分が投稿した動画の場所を探すことが難しいのであれば、今後、見つけたときに削除をしたり、運営側に報告をして削除依頼をするなどの対処を考えることになる。今後も安全にインターネットを利用するために、他人が作成した画像、文章などを利用する場合には、著作者に必ず利用の許諾を取ること。
ポイント
著作権法は、インターネットを利用するうえで知っておくべき重要な法律の1つである。インターネット上ではSNS、ブログ、掲示板などを通じて、音楽、映像、文章を個人が自由に発信できるが、発信しようとしている情報の著作権がどうなっているのか、どのように扱うべき情報なのかをチェックする習慣を身に付けると良いだろう。無料のイラストなどを利用する場合も、イラスト素材を提供しているサイトの利用規約をしっかり読み、必ずルールを守って利用することが必要である。
※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。