相談事例
交友関係
相談内容(2021年12月・保護者・青少年女子)
娘がオンラインゲームを通じて仲良くなった友達とメールアドレスを交換したいと言っている。毎晩、決まった時間に同じメンバーがゲーム内に集まり、チャットもしている。しかしメールアドレスの交換はしないほうが良いと思って禁止した。メールアドレスの交換は危険だと思うので詳しく知りたい。
アドバイス
メールアドレスや連絡先の交換がすぐに危険に結び付くわけではない。しかし、オンラインゲームで知り合う相手は顔が見えないため、年齢も性別も嘘を言っているかもしれない。1対1の個別のやり取りをしているうちに、個人情報を聞かれたり、性的な写真を要求されてしまう被害も多く起きている。安全に使うためのルールの話し合いをすることと、フィルタリングや機能制限も利用しながら保護者が見守ることを勧める。
ポイント
メールをきっかけとしたトラブルの多くは、相手の表情や口調が文字だけではわかりにくく誤解を招きやすいこと、相手の本性を見分けることが難しいこと、よく知らない人に個人情報を伝えてしまうことなどから起きている。メールのほかにも、メッセージアプリやSNSのダイレクトメッセージ(DM機能)など便利なツールが多数あるが、インターネット上でのやり取りは保護者の目が届きにくく、問題が起きていても気づくのが難しい。連絡先を交換することが子供にとって本当に必要なのかよく話し合って見極められると良い。
相談内容(2021年9月・保護者・青少年女子)
娘がSNSを通じて知り合った友達と仲良くなった。その友達がパパ活をしているようで娘も誘われている。友達付き合いを止めてほしいが娘は嫌だと反発している。どうしたら良いか。
アドバイス
インターネットで知り合った人との交友関係を一概に否定するのではなく、どのように付き合うべきかを話し合えると良い。インターネットで知り合う人は、現実世界の知り合いとは違い身元がはっきりとわからない。職業や人格も簡単に偽ることができ、それを確かめる術もないというリスクがある。この機会にあらためてスマートフォンやインターネットを使う目的、使って良い場所、利用時間などのルール作りや見直しを行うことを勧める。ルールを守りやすくする手段としてフィルタリングやペアレンタルコントロールも活用してほしい。
ポイント
パパ活とは男性からお金をもらって実際に会ったり食事などをする行為であり、SNSにはパパ活を募集する投稿が絶えない。子供自身が友達を選ぶ権利は尊重してほしいが、子供を危険から守ることや、インターネットを適切に利用しているかどうかを見守ることも大人の大切な役目である。スマートフォンやインターネットは遊び道具ではないので、ルールやモラルに反する行為、危険につながる行為に対しては許容できない保護者の考えをしっかりと伝えてほしい。
相談内容(2021年6月・青少年男子)
メッセージアプリのID交換掲示板で異性の相手を探して友達登録した。メッセージアプリでやり取りをしていると、相手から出会い系アプリをダウンロードするように求められた。断ると相手が怒り、暴言や脅すような言葉を言われて怖くなった。
アドバイス
相手に個人情報を何も伝えていないのであれば、このまま相手をブロックする方法がある。脅してくる相手からはすぐに関係を断つことが大事だと考えてほしい。掲示板では異性だと言っていても、年齢も性別も偽っていたかもしれない。危険なアプリをダウンロードさせることが目的だった可能性もある。同様のトラブルが繰り返されないためにもこれからは安易な行動は避けてほしい。今後何か具体的に脅されることがあったら、ためらわずに警察へ相談してほしい。
ポイント
ID交換掲示板のように知らない人同士が知り合うコミュニティサイトがきっかけのトラブルや被害は依然として多い。青少年は友達を探していたつもりでも、サイト内には悪意を持った人が紛れ込んでおり、青少年をだます目的で利用しているかもしれないことに注意する必要がある。メッセージアプリは身近な人とのコミュニケーションに利用するものであり、知らない人と出会うために利用することは避けてほしい。
相談内容(2021年5月・保護者・青少年女子)
娘が誰でも参加できるチャットグループで知り合った男性とメッセージアプリの連絡先を交換し、保護者に内緒で会いに行っていた。スマートフォンを見て知り、すぐに親子で話し合い、このことがどんなに危険なことかを注意した。今後は相手と連絡を取らない約束を決めたが、相手と完全に縁を切るにはどんな対策をすれば良いか。
アドバイス
インターネット上で知り合った相手との連絡を断つには、相手にどこまで自分の個人情報を知らせていたかを整理したうえで考えていくことになるが、繋がっているアプリで相手のアカウントをブロックする対応が考えられる。その際、一方的にブロックするのか、それとも話し合いをしてからブロックするのかなども相手との関係性によって変わってくる。写真の交換などをしている場合は、連絡を断つ前にお互いに写真の削除を約束できることが望ましい。相手の言動に不安を感じたら迷わず警察に相談することも勧める。
ポイント
思春期の子供が異性との出会いに興味を持つのは不自然なことではないが、インターネット上のやり取りだけでは相手の本当の年齢や性格を見抜くことが難しいため、インターネット上で出会った人とは実際に会うことはせず、インターネット上だけの付き合いにとどめる約束ができると良い。危険だと思った相手からはすぐに安全に離れることができるように、写真を含め個人情報を教えないことも約束事に決めておくと良いだろう。
相談内容(2021年3月・青少年性別不明)
匿名のチャットアプリで知り合った人が、最初は相談を聞いてくれていたが、急に会いたいと言われた。断ってもしつこく言われるのでブロックしたが、落ち着かなくて解除すると、ブロックしたことを責められた。ブロックをせずに会話が終わるようにしたい。
アドバイス
インターネット上の相手と話し合いが難しくなったときには、機械的な制限を使うことは悪いことではなく、躊躇することなく利用してほしい。ブロックするときには、ほかにも繋がっているアプリ、相手にアカウントを知られる可能性のあるアプリも同時にブロックするなどの対処をしておくとより安心である。相手が身近な友達であれば、妥協をしながら友達関係や学校生活を続けていかなくてはいけないかもしれないが、インターネット上だけの知り合いで、個人情報を伝えていないのであれば、一方的に繋がりを遮断することができる。こうしたインターネットの特性もふまえたうえで、自分にとってより安全な判断をすることを勧める。
ポイント
インターネット上であっても、お互いに丁寧な言葉を使ったり誠実に対応することが大事だが、中にはルールやマナーが通じない人もいる。無理なことを言われたり断ってもしつこくされたら、ブロックして相手から離れることが、インターネットの特性を利用した賢い解決法だと考えてほしい。関係が良好な時には思いつかないかもしれないが、自分の安全を守るためにも、相手が信頼できる人だと思ったとしても、インターネットで出会った人には連絡先や個人情報を簡単に教えないことが大事である。
※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。