相談事例
その他
相談内容(2013年7月・保護者・青少年男子)
息子に携帯電話を持たせている。使えるのは通話とメールのみ。最近、着信音を消して自室に持ち込むようになったので、気になり携帯電話の中身を見ると、女の子と頻繁にメール交換をしている。他愛のない会話もあれば、友達の悪口を言い合っていることもある。これはヒドイと思い、息子に注意したいのだが携帯電話を見たことは話せない。周囲の保護者に聞くと、子供の携帯電話は子供の同意のもと定期的にチェックする家庭が多いようである。しかし、家族に話すと、親がチェックするのを分かっていたら見せたくないメールは削除するから意味がない、これからも黙ってチェックして見守るべきだという考えであった。
アドバイス
子供のメールのやり取りを見守りたいと思うのは親として当然であり義務でもあるので、特に使い始めの時期なら、正しいルールとマナーを身につけるために必要なことだと思うと伝えた。そのやり方としては、携帯電話の利用ルールの見直しをして、メールのやり取りを親がチェックすることもルールに入れておくのは有効である。親に見られたくないやり取りは削除してしまうだろうが、最初から疑わずに信用してあげてはどうか?見守っている姿勢を伝えるだけでも、使い方の意識が変わると思う。もちろん、黙ってチェックして様子を見るやり方もあるだろうが、子供のプライバシーを尊重しないと、内緒で見ていることを子供が知ったときに親子の信頼関係が壊れてしまうリスクもある。家族とよくお話し合いをして方針を統一させると良い。
ポイント
子供に対しても一人の人間としての尊厳を認めつつ、物事を教えていくことは大事であり、大人の価値観を全て正しいものとして、子供に押し付ける行為は適切ではない。ただし、経験不足な子供に対して、良し悪しの線引きをする必要はあるだろう。線引きはいわゆる守らなければいけないルールであるが、ルールを作る際にも親の都合や価値観を押し付け一方的に作るのではなく、親子の共通理解のもとに作成し、保護者はしっかり見守るようにしてほしい。
相談内容(2013年6月・保護者・青少年男子)
子供たちが利用している通話アプリがとても危険である。1人の保護者から連絡があり、同じ学校の生徒がその通話アプリで性器を公開し、そのアプリを利用している大人が面白がって見ているとのことだった。話をしてくれた保護者は、証拠を揃えることはできる。夏休みを前に不安であり、警察に行った方がいいのか、学校に行った方がいいのか、どうしたら良いのだろう。
アドバイス
性器が見える状態の動画や画像をインターネット上に公開することは犯罪であるので、今すぐにやめさせた方が良い。保護者の方の迷いは、その生徒の将来を考えてのものだとすれば、まずは学校に報告し、動画・画像を公開している生徒とその保護者に注意をしてもらうと良いだろう。学校に説明する際には、生徒の将来を考え、警察へ行くことはしなかったこと、いずれ、ネット上の第三者が通報することもあり得ること、そうなれば人物を特定することも可能であり、犯罪者となる危機感を持ってほしいことを説明すると良い。学校の対応に満足がいかない場合には、警察へ行くなど選択肢はいくつかある。
ポイント
法律違反の可能性がある相談事例。スマートフォンのアプリを利用して、写真や動画を撮影して他人と交換したりネットに簡単に投稿できるようになったが、何でも公開してよいわけではない。現実の世界で禁止されている行為は、インターネットの世界でも同様に禁止されている。ネットで知り合い、お互いに見知らぬ相手であっても安易な行為は避けるべきである。
相談内容(2013年5月・保護者・青少年男子)
子供にスマートフォンを持たせている。SNSアプリなどを利用しているようだが、自分は従来の携帯電話を利用しているので、SNSもスマートフォンも、その危険性については何も知らない。どういったことに気をつければよいのか教えてほしい。
アドバイス
通話、メール、掲示板のような機能があるアプリでは、他人とのコミュニケーションの部分でトラブルが多い。アプリのホームページに、気をつけるべきことが書かれているので見ておくと良い。スマートフォンは有料アプリのダウンロードで金銭的な問題などもあるだろう、インターネットで気をつけるべき基本的なことは、知らないアドレスからのメールは開かない、ファイルやアプリは信頼できる場所からダウンロードするなどがある。アプリの心配をしているならば、勝手にダウンロードさせない設定もすることができる。
ポイント
低学年から子供にスマートフォンを持たせる家庭が増えているが、その特徴や安心・安全な使い方について保護者に知識がないというケースも少なくない。トラブルに巻き込まれないためには、まず、どのような危険があるのかを親子で話し合うことが重要であろう。危険を理解し、怪しい場所に近づかない、安易な行為をしない、という意識を身につけさせることが、トラブルから子供を守るための予防策である。フィルタリングや機能制限など、機器側でできる対策と、知識や意識などリテラシーの面で必要な対策の両方が必要である。
相談内容(2013年4月・青少年男子)
1年半ぐらい前、アダルト系のアプリをスマートフォンにインストールした。その後、すぐにアプリは削除し放置していたのだが、最近不安になり相談した。学校でインターネットモラルの講演があり、専門家の説明とDVDの再現ドラマを見た。DVDの中で、スマホに不正アプリをインストールしたら位置情報が盗まれ、「今から行く」と脅しのメールが来て慌てて位置情報をオフにしているシーンがあった。自分がインストールしたアプリもこのようなアプリだとしたら、位置情報を盗まれて、犯罪者が自分のところに来る可能性はあるか?
アドバイス
アプリをインストールしたことによって位置情報が盗まれ、常時、自分の居場所を突き止められているのではないかという心配をしているようだった。不正アプリによりスマートフォン内の位置情報やメールアドレスなどが外部に送信されてしまう事例は起きているが、一度抜き取られたら常時居場所がわかるわけではない。アプリを削除したのであれば心配ない。
ポイント
学校の講演をきっかけに、自身の過去の行為に不安を感じた青少年からの相談事例である。スマートフォンにはGPS機能があり、スマートフォンの中身の情報を盗む危険なアプリにより、位置情報が含まれるというトラブルが起きている。位置情報は、住所や行動範囲の特定につながるプライベートな情報である。不安な状況に出会わないために、自分が利用している機器の中身にどんな情報が記憶され、盗まれることでどんなリスクがあるのかをしっかり把握しておきたい。また、興味本位で怪しいアプリをダウンロードする行為は避け、信頼できる正規のサイトから安全なアプリを選ぶことを心がけたい。
相談内容(2013年3月・保護者・青少年女子)
新入学時に携帯電話を買い与えた。ホワイトリスト方式のフィルタリングを利用しており、実質メールしか利用していない。そんな中、まわりの友達がSNSを始め、自分もやりたいと思ったのか、誕生日にタブレット端末を買ったところ、無線LANを自分で購入し、設定して利用している。成績も落ち、家に帰ればインターネットばかりやっていて心配である。タブレットがスマートフォンと同じように利用できることを知らず買ったことを後悔している。
アドバイス
無線LANの機械があったとしても回線の契約がなければ利用できないので、回線を解約して1から始めるのも良いだろう。なぜ解約するのか、インターネットをどう使ってほしいのか親の気持ちを話すことはもちろん、娘さんの要望、気持ちも理解する必要があり、お互いが歩み寄って話しをしてほしい。心配している、使ってはダメ、だけでなく具体的な話しをしてほしい。娘さんも、なぜインターネットが必要なのか、SNSが必要なのか、友達が使っているから、という漠然とした理由ではなく、親が納得する説明ができないのであれば、まだ利用するのは早いとも言える。インターネット初心者のはずなので、きちんと使えるようになったら、利用の範囲を広げていけばよい。
ポイント
タブレット端末もインターネット回線とアプリがあれば、通話、メール、ネット閲覧等が可能であるが、知らずに子供に機器を買い与え、親が子供のネット利用をコントロールできなくなってしまったという相談が多く寄せられる。このようなトラブルも、事前に親子で利用ルールを決めておくことで回避できたであろう。後悔しないためにも、また子供がトラブルに遭わないように見守るためにも、子供に買い与える機器にどのような機能・特徴があるのかを親がきちんと把握しておきたい。
※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。