相談事例
ネットいじめ
相談内容(2023年2月・保護者・青少年女子)
娘のSNSアカウントにダイレクトメッセージ(DM)を通じて暴言が届くようになった。DMには学校の友達の名前も出されているので知り合いだと思われる。個人情報を拡散するとか、生活を脅かすなどが書かれている。
アドバイス
SNSの運営側への通報や、ブロック機能を使うことが1つの方法だが、SNSのアカウントは複数作ることができるため、相手がアカウントを変えてメッセージを送信してくる可能性もある。少しでも身の危険を感じるようであれば警察への相談も検討すると良いだろう。受け取ったメッセージは消さずに保存しておくことを勧める。学校生活や友達関係で気になることがあれば、先生やスクールカウンセラーなどにも相談しておくと良い。
ポイント
SNSのアカウントだけから相手を特定することは難しく、ブロックをしても別のアカウントを使って攻撃されたり、つながっている友達も巻き込まれてしまうなど、相手の行動を制止することも難しい。しかし、インターネット上は匿名ではないため、「発信者情報開示請求」という法的な手続きを踏むことで相手を特定できるケースもあるので、インターネットを使った嫌がらせに対しては、証拠になりそうな情報やメッセージは消さずにスクリーンショットに残しておくことが大事である。また、インターネット上の出来事であっても実生活に不安があれば、迷わずに警察へ相談してほしい。
相談内容(2022年12月・保護者・青少年女子)
娘がクラスの友達グループから遊びに行くのを誘われたがその日は予定があり参加しなかった。後日、数人の友達がメッセージアプリのプロフィール画面に皆で遊びに行ったことを書いて盛り上がっていた。娘が仲間外れになったように感じて心配になった。
アドバイス
メッセージアプリの内容については、友達と話をして内容を変えてもらうことが対処の1つだが、大事なのは現実の友達関係や学校生活である。学校でも仲間外れなど心配事が起きているようなら、解決に向けて学校の先生にも相談してほしい。実生活で何も起きていなければ気にしないこともできるが、今後のために書かれている内容をスクリーンショットに残しておくと良いだろう。
ポイント
SNSやメッセージアプリの機能が友達同士の間で本来の目的ではなく、いじめの道具のように使われてしまう事例が見られる。プロフィール画面もその1つであり、当事者が読めば特定の誰かを傷つける内容だと想像がついたとしても、客観的にはごく普通の文章のように書かれていると、いじめの証拠とはならずに解決が難しくなることもある。個人名が出されていなければ過剰に反応しないほうが良い場合もあるが、保護者としては、悩んでいることがあったら必ず保護者を頼るように子供に伝えておき、いつでも保護者や家族が味方だと思ってもらうのが一番だろう。
相談内容(2022年9月・青少年男子)
匿名のチャットグループで他人を傷つける発言をした人がいたので批判をした。すると自分にも酷いことを言ってきたためグループを退出した。相手は面識のない人たちばかりだが、このようなことがあって気分が良くない。自分も悪いことを言ってしまったが、相手のほうが悪いと思う。やり取りの内容はスクリーンショットに保存している。
アドバイス
言い争いを続けずにグループを退出したのは適切な対応である。インターネット上の相手の考え方や発言を変えさせることは難しく、リアルに会う相手ではないことから、このまま相手と距離をとることを検討すると良いだろう。ルールやマナー、利用規約に反する発言を運営側に通報する方法もあるので、サイトの利用規約を確認することを勧める。
ポイント
匿名で参加できるチャットグループには、同じ趣味や関心事を持つ人が集まり、面識がなくても共通の話題を楽しめる場所になっている。気軽に人とコミュニケーションがとれる反面、匿名であるために発言も無責任になりがちで、ルールやマナーを無視した行為も見られる。率直な意見を言ったのに理解されなかったり、悪意を持って受け止められてしまうことも残念ながらある。参加して嫌な気持ちになったら、自分とは合わなかったと考えてその場所を離れることが安全な対処である。
相談内容(2022年7月・青少年男子)
SNSでフォローされたので、メッセージを送るとケンカ腰の返事が届き、そこから言い合いになった。相手からは家を特定するなどの脅しのメッセージが届きとても怖い。同級生の悪戯かもしれないがどうしたら良いか。
アドバイス
実生活で不安を感じることがあれば、起きたことや不安に思っていることを保護者の方に正直に話をしてほしい。また、挑発するようなメッセージは、インターネット上ではエスカレートしやすいので、いつもより慎重に言葉を選ぶ必要がある。今後同様のやり取りをする際は、送っても問題ないメッセージなのかを落ち着いて読み直してほしい。
ポイント
インターネットでのコミュニケーションのコツは、普段よりも丁寧に接すること。自分に非がなくても丁寧な対応をすることでトラブルに発展することを防ぐこともできるだろう。いつでも冷静な対応をすることが重要である。やられたらやり返す、ということをしていれば、お互い傷つくのは目に見えており、悪い連鎖の始まりである。さらに、知らない人からメッセージが届いてもブロックをしたり、相手にしないといった対応をすることも安全に使うポイントである。
相談内容(2022年5月・青少年女子)
SNSを見ていた時に、ある人の投稿にとても傷ついたので、相手の投稿を引用して批判する発言をしてしまった。その投稿が相手にも見られ、開示請求をすると言われた。罪に問われるのか。今は軽率な発言をしてしまいとても反省している。アカウントも削除した。
アドバイス
名誉毀損や誹謗中傷に対して実際に開示請求をされた例はあるため、今後はSNSでの行動には気をつけてほしい。相手がこれからどのように行動するかを予測するのは難しいことから、相手との関係がインターネット上だけであり面識がないなら、このまま様子を見ることを勧める。アカウントの削除は、これ以上トラブルを大きくしないための対処法の1つである。今後何かあったらそのときに対処を考えることになるが、不安が募り過ぎると実生活にも影響してしまうので、抱えている気持ちを保護者にもお話ししてほしい。
ポイント
誰でも閲覧できるインターネット上で、人を傷つける投稿をするのはルールやマナーに反する行為だが、そのような投稿を見かけた時にも、自分とは意見が異なると考えて冷静に受け流すことも、インターネットを安全に使うためには必要になる。身近な相手ならば、話し合いで価値観の違いを埋めることができるが、面識のない相手の本心や発言の意図を確かめるのは難しく、自分の考えを相手に正確に伝えることも難しい。このようなインターネットの特性を理解しつつ、傷ついた気持ちは我慢をせずに、現実世界の友達や家族に意見を聞いてみるなどして気持ちを切り替えることも大切にしてほしい。
※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。