相談事例

ネットいじめ

相談内容(2017年2月・保護者・青少年女子)

娘はスマートフォンを使っておらず、SNSも利用していないが、SNSに娘の顔写真や学校名などが載せられて中傷されているらしい。載せた人は、同じ学校へ通う数人だろうと予想される。どう対応したら良いか。また顔が全部そのままで掲載されているのではないが、このような顔写真の掲載は、法的にどのように考えたら良いか。

アドバイス

顔がはっきり写っていない写真が肖像権やプライバシー権を侵害するものかどうかは、実際の情報を見て判断する必要がある。SNSに顔写真等を掲載したのが同じ学校に通う人だろうと考えられるならば、早急に学校への相談を勧める。誰が掲載したのかが分かれば、その人にお願いして対応してもらうのが一番早いだろう。学校に相談する際には、SNSに掲載されている情報をプリントアウトして、事実を先生に見ていただくと分かりやすい。SNSには年齢制限や禁止行為等のルールが定められている。もしルール違反の行為があれば、決められたフォームから報告して対応を求めることもできる。

ポイント

インターネットの基本マナーとして、写真を公開する場合は、そこに写っている人の許可を得てから載せるように留意しなければならない。インターネットへ情報を流せば、その情報は流した途端にコントロールできなくなる。情報はずっと残ることを意識しておくべきだろう。今回の例は同じ学校に通う生徒同士に原因があるならば、現実の世界で直接お互いに自分達の行為を正直に話すことで、問題解決へとつなげてほしい。

相談内容(2016年9月・保護者・青少年女子)

SNSのグループトークで、娘が仲が悪くなった友達の個人情報を投稿してしまい、相手の保護者が学校と警察に連絡した。相手の希望は投稿を削除してほしいということだが、娘はSNSグループに書き込んだことで恐くなり、SNSアカウントを削除してしまったため、内容を確認できない。グループ内の何人かの友達に削除してほしいと伝え、数人は消したと言い、削除した後の画面コピーを送ってきた人もいた。グループ全体を削除したり、少しでも拡散を止める方法はあるのだろうか。

アドバイス

SNSのグループ全体を削除することは難しいと思われ、グループ内メンバーへ削除をお願いする方法を考えることになる。本人はアカウントを削除しているため、グループ内で連絡を取れる人を通じて削除依頼をグループ内に伝える方法があるだろう。その際には、個人情報を書き込んだことを深く反省していること、二度と同じような過ちを繰り返さないことを、グループ内のメンバーに伝えてもらうようにする。グループ内メンバーから書き込みが消えたとしても、その周囲へ広がっている可能性もゼロではないが、今できる対策はグループ内の各メンバーに削除をお願いすることだろう。

ポイント

学校で友人関係が悪化した理由から、前後の見境なくSNSに悪口を書き込んで起きたトラブルである。一時的な気持ちからだったとしても、書き込んだ内容を完全に消すことが本当に難しいことを理解して、同じような過ちを二度と起こさないように注意してほしい。もし相手と直接会えるならば、反省している気持ちを直接伝えることも解決方法の一つだろう。

相談内容(2016年7月・保護者・青少年男子)

子供が動画サイトに投稿している画像について、行き違いがあり、個人名や誹謗中傷のコメントが書かれるようになった。書いているのは、最近知り合った他校の生徒である。現在は相手をブロックし、コメントを削除することで対応している。他に手立てはあるか。

アドバイス

機械的にできる対策は、現在行っているブロック、コメントの削除、動画サイトの運営側に報告することだろう。サイトのヘルプページに報告機能の説明と注意点が書かれているのでよく読むと良い。コメントに対して過剰に反応していると収拾がつかなくなることもあるので、本人に悪いところがなかったとしても、淡々と削除をしていくことが一番良いだろう。削除することにも疲れてしまうのであれば、一旦動画サイトのアカウントを削除したり、動画を削除することも対処法の1つだろう。

ポイント

自分が投稿したものに対しての誹謗中傷は、受け入れ難いことだが、この事例のように、ユーザーのブロックや、コメントの削除などの機能がサイトにあれば、それらを利用することが現実的な対処である。インターネット上にはさまざまな価値観を持った利用者が集まり、お互いに顔が見えないため誤解が生じやすい。さまざまな反応もインターネットに情報を発信することのリスクだと考えて受け流すことも対策の1つかもしれない。リスクを考慮しても発信したい内容なのかをよく考えることも必要である。

相談内容(2016年5月・青少年男子)

SNSでトラブルがあり、しばらくSNSから離れた。その後、トラブルの相手をブロックし、再開したときに「ブロックしたおかげで整理ができて良かった」という投稿をした。この文章は他人が書いた文章をコピーをして自分の投稿としてしまった。その後、トラブルのあった相手が、その文章が自分に向けられた発信と誤解をしたようで、SNSを休業してしまった。自分は名誉棄損で訴えられたりしないだろうか。

アドバイス

他人の投稿を無断で利用するなど、ルールを無視した行動については自身の行動に責任がある。また、名誉棄損で訴えられるかを心配するのではなく、誤解を与えるような行動をしたことについて、マイナスな投稿を読んだ相手の立場に立って考えてほしい。たとえば、しばらくSNSはやらない、再開する時にはルールを守った行動をする等、自分ができることを考えてほしい。

ポイント

言葉だけのコミュニケーションは大変難しく、自分の投稿を読んだ相手がその内容を100%理解できるとは限らない。人にはそれぞれ価値観があり、その違いもある。その時の感情をそのまま投稿するのではなく、投稿する必要がある内容なのかを考えてから投稿してほしい。自分が発信した情報は自分に責任があることを忘れてはならない。マイナスな感情の投稿は見ている方も気持ち良いものではないので、インターネットという公共の場所でのマナーを心がけてほしい。

相談内容(2016年3月・保護者・青少年男子)

あるサイトで他人が制作した画像を無許可でコピーして投稿したことで、第三者から批判されてしまった。名前と共に謝罪を要求する投稿が出され、それに同調する人もいる。またたくまに広まり炎上してしまった。サイトのルールでは、他人の画像をコピーするときには本人に許可をとることになっている。この点は反省し、サイトからはこれまでの画像を削除し、しばらく利用しないことにした。

アドバイス

作品には著作権があるので、一般的には、他人の著作物を無断で利用することはルール違反である。今回のことで、著作権のことを親子で理解し、同じ失敗を繰り返さないようにすることが一番大事なことである。今は一時的に炎上してしまったが、ネット上の批判は時間がたてば収まることもあるので、このまま静観することを勧める。学校でもいじめが起こるようなことがあれば、現実生活での対処をするべきなので、先生に相談しておくことを勧める。

ポイント

炎上のきっかけとなったのは、他人の著作物を許可なく利用してしまったことであり、今回の経験を勉強の機会として活かせると良い。インターネット上には、他人の行動をチェックし、炎上の機会をうかがっている利用者も存在する。不特定多数によるいじめ行為をエスカレートさせないために、インターネット上ではしばらく静観していることが選択肢の1つである。しかし、その影響が学校生活に及ぶケースもあり、そのような場合は学校の協力も得て、現実の世界を安心して過ごすための対処も不可欠だろう。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。