相談事例
ネットいじめ
相談内容(2019年11月・保護者・青少年男子)
メッセージアプリのグループで、息子の顔写真が許可なくアップされたり、勝手に加工されたりしている。グループに入っていない人の画像を加工している人がいたり、暴言もある。許可なしに顔写真を加工するのを止めさせたいが、このことを学校や保護者に伝えるべきか悩んでいる。
アドバイス
対処法の1つとして、迷惑な会話や、不快な投稿を見つけたときには運営会社へ通報する方法があり、アプリの利用規約を参考にしてほしい。学校や保護者へ伝えるかどうかは、学校生活を送っている息子さんの意見を尊重してほしいが、保護者として見過ごせない行動があったら、息子さんに伝えた上で学校に相談することを勧める。その場合は証拠となるスクリーンショット等を見てもらい、今後の対応を考えることになる。
ポイント
本人の許可なく写真や動画を勝手に使うことは、肖像権侵害、著作権侵害にも発展する行為だが、法律を知らずに加害者や被害者になってしまうトラブルも多く見られる。子供たちが正しい知識を持って安全にインターネットを使えるように、家庭や学校、周囲の大人たちがアドバイスしていくことが大事である。
相談内容(2019年10月・青少年男子)
同じ学校の友達がクラスのメッセージアプリのグループに、許可なく顔写真を加工して載せていて困っている。止めてほしいと伝えると取り消すが、何度も同じことが繰り返されている。
アドバイス
メッセージアプリでのトラブルだが、解決のためには学校の先生にも状況を伝えてほしい。今後、メッセージアプリに加工された写真が載せられたら、証拠として毎回スクリーンショットを撮って残しておくと良い。その証拠写真を先生に見てもらい、学校生活全体の解決について相談することを勧める。
ポイント
他人の顔写真を許可なく公開したり加工をすることは、その人の権利を侵害する行為となる。友達グループだけに投稿したとしても、クラスや学校の範囲を超えて大勢の人に広がると、完全に消すことも困難になってしまう。 スマートフォンやインターネットは便利な道具であって、誰かを傷つけるための道具ではないことを理解し、ルールとマナーを守った付き合い方をしてほしい。
相談内容(2019年5月・青少年女子)
クラスメートと部活のメンバーが、自分の悪口を言うSNSグループを作っている。友達が招待されて入り、教えてくれてわかった。先生には言わないでほしいと言われたので、先生には相談できない。学校生活は普通に過ごしているが、部活のメンバーが一番悪口を言っているので、部活を辞めようと思う。
アドバイス
SNSの中で起こっていることであっても、問題は人間関係だったり学校生活であるため、解決のために先生や部活の顧問、先輩などにも相談してほしい。SNSグループの人たちと少し距離を置くことも1つの方法であり、普段の学校や部活の生活での支障が何もないのであれば、このまま様子を見るという選択肢もある。ただし、部活動を含めた学校生活が脅かされるように感じることがあった時には、堂々とまわりの大人に相談をしてほしい。
ポイント
SNSが現実世界の愚痴を吐き出せる手段の1つであることは否定しないが、明らかに誰かを傷つけているとしたら、それはいじめにつながる行為であることに気付いてほしい。非公開のグループ内であっても、悪口が一度グループの外へ公開されれば、より広範囲に拡散し、より多くの人が被害者にも加害者にもなってしまう可能性がある。 相手を思いやり、みんなでルールを守って、コミュニケーションを楽しむための場所として活用してほしい。
相談内容(2019年4月・青少年女子)
メッセージアプリのグループで友達が悪口を書かれていた。ネット上だけでなく実際に無視されたり悪口を言われたりしていて友達ができそうにない。このようなグループがとても嫌だが、グループを退会するとそのことが同じグループに入っている全員に共有されるのでどうすれば良いか困っている。
アドバイス
機械だけで根本的な解決をすることは難しいが、グループ宛にメッセージが投稿されたとしても、通知が出ないように設定しておくことを勧める。その際に未読にしておくか、既読にするかについては自身で選択してほしい。現在起こっていることは、アプリがきっかけの出来事であったとしても、解決すべき問題は人間関係や学校生活であり、ネット上だけの問題ではないこと、機械的にすべてを解決するのは難しいことを理解し、先生にも相談できると良いだろう。
ポイント
インターネット上の出来事であっても、解決が必要なのは学校生活や友達関係であり、周囲の大人にも相談してほしい事例である。思春期の青少年にとって、学校という集団生活の中で誰とでも仲良くすることは現実的に難しいかもしれないが、人を傷つけるような言動は許されないことだと自覚できることが大事である。この相談者が感じている葛藤が、孤立した友達を救うきっかけになることを期待したい。
相談内容(2019年3月・保護者・青少年女子)
子供の姿が友達によって動画で撮影され、SNSに載せられた。以前からずっとそのようなことがあり、学校にも相談し、生徒たちへSNSを利用する上での注意をしてくれているが効果がない。今後このようなことが起こらないことを願うが、データはまだ相手の手元にあるので、拡散される恐れもある。どういった対処をすれば良いか。
アドバイス
動画や画像を相手が保存している限り、それがどのように使われるのかは相手次第であり、自分でコントロールするのは難しい。確実に削除してもらうためには話し合いを重ねることが大事である。本人の理解がなくては、手元から動画を削除してもらうことも、今後の利用を防ぐことも難しいためである。当事者同士でのお話し合いがうまく行かない場合は、学校の先生などにも同席してもらうと良いだろう。
ポイント
誰でも勝手に自分の容姿を撮影されたりSNSに載せられたりしない権利を持っている。その権利が守られるように、友達の理解と協力が必要である。撮影・投稿した友達にとっては悪ふざけの延長だったかもしれないが、仮に動画を拡散させたりすれば、肖像権侵害の問題に発展するかもしれず、大きな責任を負うことになってしまう。インターネットのルールとマナー、情報発信の責任を本人に自覚してもらうことが何よりも大事なことだろう。
※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。