相談事例

ネットいじめ

相談内容(2021年2月・青少年男子)

SNSに自分のなりすましアカウントがあり、嫌な写真を載せられたり、写真を加工されたりしている。そのアカウントは自分とまったく関係のない人と繋がっている。SNSの運営会社に何度も削除依頼をして、本人確認の手続きもしたが対処されていない。

アドバイス

インターネット上に投稿された情報を削除できるのは、基本的には投稿した場所を管理している人か、投稿した本人となる。SNSの場合は運営会社へ違反報告をすることができるため、SNSのヘルプページで報告方法を確認してほしい。また、なりすまし以外にも嫌がらせ、いじめ、プライバシー侵害などの報告もできるので試してみてほしい。今後の証拠保存のために、投稿内容やアカウント名などを保存しておくと良い。なお、報告をしても即座に対応がなされるとは限らず、対応を待つ必要もあると考えてほしい。

ポイント

なりすましは本人だけでなく、友達や身近な人までも被害に巻き込まれる可能性があり、多くのSNSはなりすまし行為を禁止している。このため、被害にあってしまったときには運営会社へ通報や報告をすることが早い解決につながる。その際は正しい方法で正確な情報を伝える必要がある。本人だと証明できることが重要であり、運営会社であっても本人確認ができなければ対処されない可能性を理解し、利用規約をよく読み、間違いや不備がないかをしっかり確認することが大事である。

相談内容(2020年10月・青少年女子)

SNSの投稿を見て嫌な気持ちになったので、相手は知らない人だったがダイレクトメッセージを送り、このようなことは止めたほうが良いと思うと伝えた。すると、自分は感想を言ったつもりだったが、悪口と受け止められて反論されてしまった。すぐに謝罪のメッセージを送ったが、相手からまた攻撃されないか不安になっている。

アドバイス

インターネット上の言葉だけのやり取りは誤解が生じやすい。特にまったく知らない人からの言葉は、受け止め方も批判的になりがちである。素直に謝ることができたのは正しい対応である。相手がこれからどのような行動をとるのか、推測することは難しいため、少し様子を見ることを勧める。今後さらに攻撃するようなメッセージが届いたときには、そのときに対処法を考えることになる。

ポイント

SNS上では知らない人の投稿にも意見や感想を自由に伝えることができ、自分の考えを伝えることは大切なことである。しかし面識のない相手に対しては、身近な友達とは違うことを意識して慎重に言葉を選べると良い。相手がどのように受け止め、どのように反応してくるのか予測ができないからである。また、価値感や好みが合わない投稿を見かけたとしても、冷静に受け流すこともトラブルを避けるコツである。今回の経験をこれからのSNSとの付き合い方に活かせると良い。

相談内容(2020年8月・青少年性別不明)

友達が鍵付きのSNSで暴言を吐かれている。友達本人はそのことを知らないのだが、放置することができない。

アドバイス

インターネットは公共の場所と同じであり、悪口を書いて良い場所ではないため、暴言に対してはSNSの運営会社に報告をする方法がある。ただし、報告内容がそのとおりに受け入れられるとは限らず、報告後は運営会社に判断を任せることになる。このため、相手との関係性にもよるが、直接お話しをして暴言を止めてもらうのが一番良い。一人で行動するのが難しい場合は、同じようにSNSを見ている身近な友達と相談をして一緒に伝えてみるのも1つの方法である。信頼できる大人、学校の先生、スクールカウンセラーの先生等にも相談することも勧める。

ポイント

インターネット上で他人を攻撃するいわゆる「ネットいじめ」は、現実の世界と同様に許されない行為だが、それを止めるのも簡単ではなく、傍観してしまう人が多いかもしれない。そのような中で放置せずに解決しようと思えたのは立派である。暴言や悪口は相手を傷つけるだけでなく、文字として残ることで投稿者本人の信用も失いかねない行為である。問題が大きくならないうちに、身近な人たちの協力を得て状況を改善できるのが理想である。

相談内容(2020年4月・保護者・青少年女子)

娘がSNSを始めたところ、元同級生から友達申請があり繋がった。グループにも入って仲良くしていたが、その後、SNSで悪質な嫌がらせをされた。保護者が気が付いてグループを退会し、相手のことをブロックした。今後どうしたら良いか。

アドバイス

どのような理由があっても、人を傷つける言動は許されない。インターネット上では、危険だと思ったら自分から離れることが大事であり、グループを退会したり、ブロックをしたのも賢明な対応である。念のためこれまでの嫌な書き込みなどが残っているようであれば、証拠として残しておくことを勧める。インターネット上の対処とは別に、今後、実生活でも何かあったら、そのときの状況に応じた対応をとっていくことになる。

ポイント

SNSを使って嫌がらせや被害に遭ったときの対処方法は、相手との関係やこれからの付き合い方をどうしたいかによって様々である。ネット上だけの知人や、実生活で頻繁に会うことがない相手の場合は、ブロック機能を利用するなどで自分自身を守ることが大切である。SNSの画面は、何かあったときのために証拠として保存しておくと良い。SNSは人を傷つける道具ではないはずである。皆がマナーを守り、友達や気が合う人とのコミュニケーションを楽しむ場所にしてほしい。

相談内容(2019年12月・青少年女子)

学校内で男子と2人でいたところを同級生に勝手に撮影され、メッセージアプリで個人やグループに写真が拡散されている。SNSにも拡散されているかもしれない。

アドバイス

拡散している同級生に削除をお願いして解決できると良いが、身近な大人にも相談してほしい。インターネット上で起こっているトラブルであっても根本的に解決が必要なのは学校生活や人間関係である。保護者にもお話をして、学校の先生やスクールカウンセラーなどに相談して状況を改善していけるのが一番良い。

ポイント

本人の許可なく写真を拡散させることは、その人の権利を侵害する行為となる。友達同士でもルールとマナーを守ることを大切にしてほしい。もしも自分の写真がインターネットに勝手に載せられているのを見つけた時には、写真を消してもらうこと、そして学校生活や友達関係の解決に向けて保護者や学校の先生など周囲の大人に相談してほしい。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。