相談事例

ネットいじめ

相談内容(2017年11月・保護者・青少年男子)

子供が友人に突然顔写真を撮られ、悪質な加工をされて、メッセージアプリを通じて同じクラスのグループへ回されていた。子供はスマートフォンを持っていないので確認できていないが、学校に相談し、グループ内の生徒に対して写真を削除するように指導してもらった。しかし、グループ内に渡った写真を完全に削除することができるのか不安である。

アドバイス

グループメンバーへは写真を削除するように先生から伝えているので、その後の状況も確認できるように、先生の支援を継続してもらうことを勧める。また、本人の同意を得ていない写真をインターネットに掲載する、本人の許可なく写真を加工することが、インターネットのマナーに反することであり、本人の肖像権を侵害する行為であるということも、指導をお願いすると良い。一度広まった写真を完全に削除するのは大変厳しいが、今後もしも写真がどこかで見つかったら、そのときに削除方法や対応を考えることになる。

ポイント

写真をめぐるトラブルの相談は、加害者・被害者のどちらからも増えている。友達同士の悪ふざけでグループ内だけに公開したつもりでも、デジタル写真はインターネットを通じて想像を超える範囲へと広がり、完全に削除することが困難になってしまう。それが他人を傷つけるような加工を施した写真だとしたら、加害者側の責任はより重いものとなるだろう。他人の権利を尊重する気持ちは、インターネットの利用に限らず身につけておくべきモラルとして、学校や家庭で理解を深めてほしい。

相談内容(2017年10月・青少年男子)

動画サイトでゲーム実況の音声を公開していたことで知り合った視聴者の人がいる。自分が立ち上げたメッセージアプリのグループにその人も参加してきて、顔出ししてほしいと書いてきた。だが、自分は以前から顔出しはしないと動画サイトでも言っているので、グループ内でも伝えたところ、相手が勘違いをしたようで怒ってしまった。そのことで他のグループメンバーからも悪口を言われ、グループを強制退会させられてしまった。現在、動画サイトは休止状態にしている。

アドバイス

相手はおそらく一時的に感情的になって、悪口を書いてしまったのだろう。動画サイトを休止にしたことは賢い判断である。時間が経てば悪口を書いた方も反省してくるかもしれない。しばらく静観しているのが良いだろう。トラブルが起きたばかりで、お互いに感情的になっている時である。自然消滅するのを待つのが良いだろう。

ポイント

インターネット上だけの人間関係では、顔が見えない相手に無責任な発言をしたり、自分の考えを押し付けてしまうこともある。匿名性の高さから、相手への思いやりに欠けてしまうのだろう。一方で、インターネット上では、悪口や嫌がらせに対して、関わらない姿勢をとることが容易であり、身を守るためには大事なことでもある。インターネットの書き込みに振り回されることなく、正しいルールとマナーを守って安心・安全に楽しんでほしい。

相談内容(2017年4月・保護者・青少年女子)

娘が、友達のSNSに書かれていた別の友達への悪口に同調してしまったことで、ネットいじめの加害者側になってしまった。娘にはスマホを持たせる際に、人を傷つけてはいけないと言ったつもりだったが、このようなことになりスマホを取り上げるべきかどうか、家族で話し合う予定。どのような考え方をすれば良いか。

アドバイス

現実の世界では内輪だけの会話に留めておくことができることも、SNSのような場所に載せることで、相手から見れば集団のいじめと受け止められてしまう。娘さんも影響の大きさを実感したと思うので、今後は同じことを繰り返さないように気をつけることができるだろう。再度、安全に利用するためのルールとマナーを話し合えると良い。今後は悪口を書かない、面識のない人と連絡先を交換しない、などのルールを娘さん自身にも考えてもらい、責任を持った使い方をすることを約束することを勧める。

ポイント

便利で楽しいはずのスマートフォンやインターネットも、使い方を間違えると人を傷つける凶器にもなってしまうことが良く分かる事例である。スマートフォンやインターネットは、ルールを守って使いこなして初めて、その利便性を享受できるものである。悪口を発信する道具ではないことを、今回の経験を通して家族でしっかりと話し合えると良い。

相談内容(2017年3月・青少年女子)

自分の画像を写真アプリに載せていたところ、その中の写真が許可なくSNSで使われていた。どうしたら良いか。現在は、写真アプリに載せていた顔写真はすべて削除している。過去に自分の写真を写真アプリに多数載せていたことがきっかけで友達から嫌われていた。SNSグループからも退会させられた経緯がある。

アドバイス

本人の許可なく勝手に顔写真を使うことはルール違反にあたる。個人情報の投稿として運営会社へ違反報告を行うことができるだろう。ただし、今までの経緯から、写真を消すことで却って炎上してしまう可能性もある。このまま様子を見るのも一つの選択肢かもしれない。

ポイント

自分の写真を公開したことで、自分自身が嫌な思いをすることになってしまった事例である。インターネット上には様々なアプリケーションがあるが、利用するにあたっては、誰が自分の情報を見る可能性があるかを常に確認してほしい。自分が良いと思って載せた情報も、見る人によって受け止め方は様々であることも意識すると良いだろう。顔写真や人物を特定できるような画像や動画は、トラブルの元になりやすく、気軽にインターネットに載せないことが、被害に遭わないための予防策だと理解してほしい。

相談内容(2017年2月・保護者・青少年女子)

娘はスマートフォンを使っておらず、SNSも利用していないが、SNSに娘の顔写真や学校名などが載せられて中傷されているらしい。載せた人は、同じ学校へ通う数人だろうと予想される。どう対応したら良いか。また顔が全部そのままで掲載されているのではないが、このような顔写真の掲載は、法的にどのように考えたら良いか。

アドバイス

顔がはっきり写っていない写真が肖像権やプライバシー権を侵害するものかどうかは、実際の情報を見て判断する必要がある。SNSに顔写真等を掲載したのが同じ学校に通う人だろうと考えられるならば、早急に学校への相談を勧める。誰が掲載したのかが分かれば、その人にお願いして対応してもらうのが一番早いだろう。学校に相談する際には、SNSに掲載されている情報をプリントアウトして、事実を先生に見ていただくと分かりやすい。SNSには年齢制限や禁止行為等のルールが定められている。もしルール違反の行為があれば、決められたフォームから報告して対応を求めることもできる。

ポイント

インターネットの基本マナーとして、写真を公開する場合は、そこに写っている人の許可を得てから載せるように留意しなければならない。インターネットへ情報を流せば、その情報は流した途端にコントロールできなくなる。情報はずっと残ることを意識しておくべきだろう。今回の例は同じ学校に通う生徒同士に原因があるならば、現実の世界で直接お互いに自分達の行為を正直に話すことで、問題解決へとつなげてほしい。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。