相談事例

料金関係

相談内容(2019年2月・保護者・青少年男子)

息子が買ったばかりのスマートフォンでゲームで課金をしていたようで、クレジットカード会社からの請求額が数十万円になっていた。一部はすでに引き落とされており、残高不足でまだ引かれていないものや、引き落とし予定のものもある。利用したゲームは端末が複数台必要なゲームで、保護者の端末を貸したところ、クレジットカード情報が入っていたようだ。

アドバイス

未成年者契約の取り消しができる法律に基づいて課金の取り消しを交渉していくのが良いだろう。ただしすべてが無条件で取り消されるわけではなく、クレジットカード情報の管理状況や、子供が年齢を偽っていないこともポイントになる。交渉には、ゲームの運営会社やクレジットカード会社などが関係し、詳しくは消費生活センターに相談することを勧める。課金の詳細とカードの明細を突き合わせて、ゲーム会社名、ゲーム名、日付や金額をまとめておくと良い。

ポイント

無料ゲームであっても、ゲームを有利に進めたり、欲しいキャラクターを獲得するときに料金が発生し、画面上でボタンを押すだけで購入できるものも多い。1回ごとは少額かもしれないが、何度も課金を重ねてしまうリスクがある。有料と知っていても自制を効かせることは大人でも難しいことから、子供に渡す端末には、親の同意なく課金ができるような環境を作らないことが未然防止のためには大事である。クレジットカード情報を残さないことはもちろん、「アプリ内課金」を許可しない設定、購入にはパスワードを必須とする設定などを利用すると良い。

相談内容(2019年1月・保護者・青少年男子)

息子がクレジットカードを保護者の財布から持ち出してスマートフォンでゲームの課金をしていたことが分かった。数カ月前から課金を繰り返し、すでに高額が引き落とされてしまった。息子から話を聞くと、ゲームアカウントは20歳以上で登録していたようだ。

アドバイス

民法では、未成年者が法定代理人(保護者)の同意を得ていない買物について取り消しを求めることができると定められている。適用されるための条件としてクレジットカードの管理状況、未成年者が年齢を偽っていないかなどで判断される。相手との交渉次第なので、ゲーム会社に問い合わせ、全額あるいは一部返金などの相談をすることを勧める。消費生活センターにも問い合わせをして支援してもらうことを勧める。

ポイント

オンラインゲームでの高額課金の相談は増えており、この事例のように保護者のクレジットカードが支払いに使用され、お金が引き落とされてから気付くケースもある。無料で遊んでいたつもりでも、ゲームを続けるためには課金が必要になったり、アイテム購入を求められる場面になることもある。さらに支払い方法ではクレジットカードが使われることが多い。このようなゲームの形態を親子でよく理解し、クレジットカードの大切さや危険性についても家庭で話し合っておくことが重要である。

相談内容(2018年11月・保護者・青少年男子)

子供がゲームアプリで課金をしてしまい、高額のクレジットカード決済をしてしまった。カード情報は保護者が登録した。パスワードの設定をしていなかったために決済ができる状況になっていた。

アドバイス

民法では、未成年者が法定代理人(保護者)の同意を得ないでした法律行為は、取り消すことができると定められている。契約を取り消すには満たさねばいけない要件があり、ゲーム会社やクレジットカード会社との交渉が必要になると思われる。交渉に先立って、詳しい状況を整理し、最寄の消費者センターへ相談することを勧める。

ポイント

子供の課金トラブルは、本人はお金を使っている意識がないまま高額に達してしまったケースも多いようである。課金が成立してしまうと払い戻しが難しいこともあるため、未然防止の対策をしておくことが重要である。クレジットカード情報を記録しない設定、購入時にパスワードを求める設定、アプリや機能の利用制限など、端末側でできる対策が有効だろう。購入前に必ず保護者に相談するようなルールを家庭で話し合っておくことも大切である。

相談内容(2018年10月・保護者・青少年男子)

子供がスマートフォンでゲームをしていて、1回限りの約束で課金を許可し、親のクレジットカード番号を入力した。しかし入力情報がスマートフォンに残っていたらしく、知らない間に課金を続けていた。クレジットカード会社から限度額の連絡があり発覚した。課金をしたオンラインストアにメールで問い合わせをして何回かやり取りをしたのだが、最終的には返金できないとの回答が返ってきた。どうしたら良いのか。

アドバイス

法律で定められている未成年者契約の取消しにより、保護者が認めていない子供の高額課金についても支払いが免除される可能性が考えられる。ただし子供自身が年齢を偽っていないことや、クレジットカード番号の管理などの要件が定められているので、必ず適用されるとは限らない。すでに返金を断られているが、今後の交渉に向けて消費者生活センターに相談することを勧める。

ポイント

スマートフォンやPCには、次回からの入力を省略するために一度入力した情報を保存できる設定があり、この事例も1回だけのつもりで入力したクレジットカード情報が保存されていたために起きたトラブルである。保護者はこのような仕組みを理解しておくことが必須だが、クレジットカードがどのようなものであるか、保護者の許可なく使うとどうなるかを子供に学んでもらうことも今後の再発防止に向けて大事なことだろう。この機会にもう一度、オンラインゲームとの付き合い方、利用時間や利用場所も含めたルールも親子で話し合えると良い。

相談内容(2018年7月・保護者・青少年男子)

息子のスマートフォンは本来であれば保護者が認証しなければ買い物等ができないはずであるが、一度だけ息子のスマートフォンで買い物をしたことがあり、その時にカード情報が残っていたらしく、ゲームで課金を続けてしまったようだ。ただし、息子自身はお金を使っているという意識がなかったようである。クレジットカードの請求で発覚した。このような場合、どうしたら良いのか。払わなければいけないのか。

アドバイス

未成年者契約の取り消しという法律があり、保護者に内緒で契約したものを取り消すことができるという内容であるが、どんなものでも取り消せるのではなく、要件を満たした際には取り消せるというものである。今回の件が取り消せるかどうかについては、ゲーム会社や決済システムの運営会社との交渉が必要になると思われる。どういう交渉が必要なのかについては、消費生活センターでアドバイスがもらえるはずなので、最寄の消費生活センターに相談することを勧める。

ポイント

自分専用のスマートフォンを持つ子供が増え、子供だけでゲームで遊ぶ時間のある家庭も増えてきているだろう。ゲームに没頭していると子供はお金を支払っている感覚がないまま有料アイテムを手に入れ、保護者が気付いたときには高額な課金が成立していることもあり得る。この機会に課金の怖さを親子でしっかりと話し合ってほしい。同様のトラブルを未然に防ぐためには、フィルタリングや制限機能、クレジットカードが使われたらメールで通知される機能など、保護者向けの管理機能を活用することも検討すると良い。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。