相談事例

料金関係

相談内容(2018年7月・保護者・青少年男子)

息子のスマートフォンは本来であれば保護者が認証しなければ買い物等ができないはずであるが、一度だけ息子のスマートフォンで買い物をしたことがあり、その時にカード情報が残っていたらしく、ゲームで課金を続けてしまったようだ。ただし、息子自身はお金を使っているという意識がなかったようである。クレジットカードの請求で発覚した。このような場合、どうしたら良いのか。払わなければいけないのか。

アドバイス

未成年者契約の取り消しという法律があり、保護者に内緒で契約したものを取り消すことができるという内容であるが、どんなものでも取り消せるのではなく、要件を満たした際には取り消せるというものである。今回の件が取り消せるかどうかについては、ゲーム会社や決済システムの運営会社との交渉が必要になると思われる。どういう交渉が必要なのかについては、消費生活センターでアドバイスがもらえるはずなので、最寄の消費生活センターに相談することを勧める。

ポイント

自分専用のスマートフォンを持つ子供が増え、子供だけでゲームで遊ぶ時間のある家庭も増えてきているだろう。ゲームに没頭していると子供はお金を支払っている感覚がないまま有料アイテムを手に入れ、保護者が気付いたときには高額な課金が成立していることもあり得る。この機会に課金の怖さを親子でしっかりと話し合ってほしい。同様のトラブルを未然に防ぐためには、フィルタリングや制限機能、クレジットカードが使われたらメールで通知される機能など、保護者向けの管理機能を活用することも検討すると良い。

相談内容(2018年6月・保護者・青少年男子)

子供のタブレットを確認したところ、高額なゲーム課金の履歴が残っていた。ゲーム課金のメールが保護者のスマートフォンに届いていたが、関係ないと思って内容を確認していなかった。子供を問いただすと、1回アイテムを買う方法がわかってしまい、我慢ができずに次々に購入してしまったと話している。どう対応したら良いだろうか。

アドバイス

オンラインゲームでのアイテム購入を申し込んでいるのは未成年者であるため、法定代理人である親の同意がなければ、原則として契約を取り消すことができる法律がある。ただし、保護者側のカード管理やパスワード管理状況によっては支払いを取り消すことができない場合もある。まず、課金をしたゲーム会社に子供が勝手に課金した事情を伝えると良いだろう。クレジットカード決済であれば、そのカード会社から利用明細を取り寄せてほしい。それらを持参して近くの消費生活センターへ相談することを勧める。

ポイント

オンラインゲームでは、有料アイテムを手に入れたり、ゲーム内通貨を利用するたびに料金が発生し、クレジットカード情報や決済のためのパスワードなどが端末に登録されていれば、簡単に支払いが成立してしまう。子供にとってはお金を支払っている現実味がないまま課金されることもあり得ることを、家庭で話し合う機会を持つと良いだろう。保護者が同意しない課金を防止するには、保護者の知識や親子のコミュニケーションが大事であるとともに、端末側で課金を防止・制限する機能などを利用することも検討すると良い。

相談内容(2018年4月・保護者・青少年男子)

子供が知らない間に保護者のタブレットでゲームの課金をしていたことがわかった。クレジットカード会社から何回も課金があったのでストップしたとの連絡があって発覚した。子供は課金の意味がわからず、強いキャラクターを入手したかっただけのようだ。クレジットカード情報やパスワードの入力を省略する設定にしていたのかもしれない。料金の支払いをしなければならないのか。

アドバイス

お金がかかることを知らずに子供が課金をしてしまったのならば、未成年者の契約取消しの対象となり得る。ただし、保護者のカード管理責任やゲームの利用状況などから判断され、必ず契約を取り消せるわけではない。これから運営会社やクレジットカード会社へ問い合わせることになるが、手続き方法の参考に、同様の事例に多く対応している消費生活センターに相談することを勧める。

ポイント

子供がクレジットカード決済で課金をしてしまうトラブルでは、スマートフォンやタブレットのブラウザに、クレジットカード情報やパスワードが保存されていたために、自動的に入力されてしまったケースも多く見られる。特に低年齢の子供の場合は、最初は無料のゲームを楽しんでいたとしても、意図せずアプリ内課金へと進んでしまう可能性もある。子供が利用する端末には機能制限を設定したり、セキュリティやプライバシーにかかわる入力情報を保存しないなどの対策を施しておくと良いだろう。

相談内容(2018年2月・保護者・青少年女子)

子供がスマホで課金をしていた。携帯電話会社からの請求で判明した。利用したのは2つのアプリ。フィルタリングを利用しているが、その2つのアプリの利用は認めていた。しかし課金は許可しないように設定したはずである。子供は課金について認めたが、自然に課金できてしまい疑問を持たなかったとのこと。課金の操作をしようとしても、キャリア決済の画面にたどり着くまでにパスワードを入力する必要があるが、子供に確認すると、パスワードは聞かれなかったとのこと。このようなことが起こるのか。支払いは拒否できないのか。

アドバイス

パスワードの入力なしでは一般に考えれば決済までは到達しないと思われるので、スマホに一度入力したパスワードが保存されていた可能性もある。未成年者であり保護者が同意をしていない買い物であることから、支払い義務については、民法では未成年者契約の取り消しという措置がある。その措置が適用されるためには、いくつかの条件があり、たとえば、親の承諾を得ていないことや、契約時に年齢などの虚偽がないことや、保護者の管理状況などで判断されるだろう。利用したアイテムの提供元や決済会社との交渉次第になると思われる。交渉に当たっては消費生活センターへ相談して支援を得ることを勧める。

ポイント

なぜ課金ができてしまったのかは、今後のために検証が必要だが、機械的に制御しても、子供自身で解除ができる場合もあれば、機械に記憶されている場合もある。このため、機械に頼る対策だけでなく、今後のためにもインターネットの利用についてルールを決め、インターネットで提供されているサービスには利用料金が必要なサービスもたくさんあること、画面上の記載をよく読むこと、新しいサービスを利用する際には保護者の同意を必ず得ることなど、子供自身に利用に関する自覚を持たせることも必要だろう。

相談内容(2017年11月・保護者・青少年女子)

子供がゲームで課金をしていた。クレジットカードの利用明細はインターネット上で確認するようになっており、引き落とし予定を確認すると数十万円もあった。子供に確認すると、課金をしていることを告白した。どうにかならないだろうか。

アドバイス

未成年者契約の取り消しという措置がある。ただしすべての契約が取り消しになるのではなく、クレジットカードの管理など保護者の責務が問われるかもしれない。ケースバイケースなので、クレジットカードの明細、何のゲームでどこの運営会社かなどを調べて、消費生活センターへ相談することを勧める。ゲーム運営会社によっては、青少年の使い過ぎを防ぐため、上限の金額を決めている。その場合は青少年が利用していることがゲーム運営会社に伝わっていないといけないので、利用年齢の設定によっては、上限を超えてしまうこともあり得る。ゲーム運営会社との交渉についても消費生活センターに相談すると良い。

ポイント

オンラインゲームの課金には、クレジットカード番号やパスワードの入力が必要だが、入力さえできてしまえば、子供だけでも高額の課金ができてしまう。この点は保護者が十分な知識を身につけておいてほしい。子供が利用する端末にはクレジットカード番号や有料サービスへのパスワードを保存しないこと、課金が生じたときの通知は保護者のメールアドレス宛てに届くように設定するなど、トラブル防止の対策はたくさんある。そして何より大事なことは、子供がインターネットをどのように利用しているのかを親子でコミュニケーションをとりながら把握し、見守ることだろう。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。