相談事例
性的トラブル
相談内容(2014年5月・保護者・青少年女子)
娘が利用しているスマートフォンを見たところ、友達とのやり取り以外に、男子とやり取りをしていることがわかった。それだけなら良いのだが、相手から裸の写真を見たいというメッセージに下着姿だけならと、送った形跡がある。ただし、写真は残っていないので本当に送ったのかは確認できない。交際自体を否定するつもりはないが、今後エスカレートしないためにどうしたら良いか。
アドバイス
裸の写真は絶対に他人に渡してはいけないと指導してほしい。下着姿であっても、送った側も、要求した側も児童ポルノ禁止法に抵触している可能性がある。子供だから知らなかったでは済まなくなることを本人に認識してもらう必要があるだろう。娘さんには正直に話してもらい、どんな写真を送ったのかを確認する。相手には送った写真を確実に削除してもらうことを娘さんから強くお願いすること。送った写真は取り戻せない。相手が消したと言っても本当に削除されたのか確認することは難しく、写真の転送、コピーなど、自分ではコントロールができないことを娘さんに理解を促してほしい。送った写真の内容や、相手の今後の対応によっては、警察に相談することもできる。
ポイント
自分の下着姿・裸の写真を他人に渡してしまうことが、後々どのようなトラブルに発展する危険性があるのか、青少年には知識をしっかり身につけてほしい。カメラでの撮影やメールのやり取りが簡単にできる機器やアプリは、青少年にとっては友達同士のコミュニケーションに便利なツールであるが、安易な行動をとらないように、保護者の管理と見守りは重要であろう。親子でよく話し合い、利用ルールを定めるとともに、ルールが守られていることを確認する機会を持つことも必要である。
相談内容(2013年12月・青少年女子)
誰と繋がるか分からないチャットアプリで、高校生を名乗る人と繋がり会話をしていたが、顔を見せて欲しいと言われたので高校生ならいいかと思い載せた。すると体を見せないとネット上で悪い噂をつけて流すと脅された。学校にも行けなくなると言われた。安易に載せたことを反省し、とても怖い思いをしている。
アドバイス
どのような要求や脅しをされても、今後は毅然と対処する。これ以上個人情報を相手に伝えないようにし、嫌だと言う気持ちをハッキリと相手に伝えること。脅す行為や、裸の写真を要求されているのであれば犯罪性があるため、警察に相談することを勧める。その場合、相手とどのような経緯で知り合ったのか、現在はどのような手段で連絡をとっているのかなどを整理し、これまでやりとりしたメッセージは消さずに保存して相談に行くと良い。
ポイント
インターネットは、今まで知り合ったことがない人たちと簡単に知り合い、情報交換ができる場所であるが、お互いに顔が見えないために、性別や年齢を簡単に偽ることができる。悪意を持って近づいてくる者もいる。知らない人には写真も含め、個人情報を安易に渡してはいけない。ネットの交流の楽しみやメリットは、トラブルを回避しながら安心・安全に利用できて初めて得られるものだとしっかり認識してほしい。
相談内容(2013年10月・青少年女子)
数年前にチャットサイトで知り合った相手に家と携帯の番号を教えた。プリクラも送ってしまった。最近、ショートメッセージサービス(SMS)でメールが送られてきて何回かやり取りをした後、無視をしていたら、番号やプリクラを悪用してネットに晒すぞと脅された。悪用されたくなかったら卑猥な画像を送れと言われた。画像は絶対に送るつもりはない。着信拒否だけでは無意味だろうか。警察に相談すべきか。
アドバイス
相手が知っている自分の情報を整理して、それに応じた対処をとることになるが 「絶対に送るつもりはない」という気持ちは何より大切である。以前に送ったプリクラ画像は削除してほしいことを相手に伝えられると良い。今後も脅しが続くようならば、メールの内容を保存して、近くの警察署に相談すること。相手からの電話には出ない。必要ならば、家の電話や携帯電話番号の変更、相手の電話番号を指定して着信拒否等を検討する。今回のことを家族に話し、周りの大人に助けを求めることもとても大事である。
ポイント
ネットで知り合った相手との交際では、相手の要求を断った途端に態度が変わり、怖い思いをしているという相談が寄せられる。強要や脅しには応じてはいけない。相手に知られている情報に応じて、物理的に対策できることに確実に手を尽くすこと、そして、必ずまわりの大人に相談することが大事である。
相談内容(2013年7月・職場職員・青少年女子)
生徒同士がメッセージアプリで友達グループを作りやり取りしていたところ、一人の女子生徒がグループ内の相手に要求されて、顔写真と顔が映っていない上半身裸の写真を送ってしまった。相手からも写真が送られてきたが、それは雑誌の切り抜きだった。このような相手の行為は児童ポルノ禁止法に違反しないか?写真がどこかに残っていたとすると、悪用されたりばら撒かれたりしたら大変だが、どのように対処したら良いのか。
アドバイス
相手に強要して裸の写真を送らせることは児童ポルノ禁止法に抵触する行為である。写真の送信先を確認して、グループ全体に送っていたら一人一人に写真の処分のお願いをする必要がある。生徒が特定できれば個別に指導をした方が良い。法律違反の恐れがあるため、学校全体に向けて注意、指導も必要かもしれない。警察が関与しない限り、送った相手を特定してデータを削除させることは難しい。今、学校としてできることは、関わった生徒、やり取りの履歴を把握して注意・指導をすることであり、同じ間違いを繰り返さないように指導することであろう。今後、万が一、写真がばら撒かれてしまったとしたら、そのときには削除依頼をしたり、警察への相談が必要になる。
ポイント
相手からどんな要求があったとしても、裸の写真は送ってはいけない。送った後、十分に考える時間ができたら、拡散されたらどうしようと後悔をすることになり、将来にわたって不安な思いを抱き続けることになるだろう。インターネットのやり取りは迅速性があるので、いま起きている行動を将来のことと結び付けて考える時間がないまま、個人情報(写真を含め)を教えてしまうことが多い。自分の行動には自分で責任を持たねばいけないので、責任を持つために、自分の行動をしっかりと把握し、送っても良い情報なのか、必要な情報なのか、落ち着いて考えてから情報を発信するよう心がけてほしい。
相談内容(2013年3月・青少年女子)
チャットで知り合った男性に、住所、名前、メールアドレス、電話番号を教え、自分の裸の写真も送ってしまった。メールアドレスは変更し、相手の電話番号を指定して着信拒否設定をした。相手から数回電話がかかってきたが、その後はかかってこない。最近のニュースを見て、個人情報を伝えたトラブル、写真を送ってしまったトラブルを知り心配になって電話した。こんなことは絶対にやめようと思っている。親には話していない。
アドバイス
送ってしまった写真がどのように使われるかは予想できない。もし仮に悪用されたり脅されたりしたならば、相手のメールアドレスや電話番号を持って警察へ相談できる。ただし、すでにメールアドレスは変更済みで、特に心配な事が起きていないのであれば、用心する必要はあっても、過度な心配はせず見守ってみてはどうか。親には話していない状況であるが、相手に住所を伝えた以上、機会をみて親にも説明してはどうか?話すことで自分自身も楽になるのでは?と伝えた。
ポイント
チャット等で相手が自分の話に熱心に耳を傾けてくれていると、自分が相手に受け入れられているような錯覚が生まれてくる。オンラインでのみ繋がっている相手が、本当はどんな人なのかは分かりにくいにもかかわらず、相手の要求に応えてしまう例が増えている。相手の言動に不安を少しでも感じたら、そこで立ち止まる勇気と、現実の世界で保護者や友達に相談する姿勢を忘れてはいけない。
※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。