相談事例

性的トラブル

相談内容(2014年11月・保護者・青少年女子)

娘が頻繁にスマホのメールをチェックして手放さずにいるので、どうしたのかと思い、メールのやり取りを見て、同級生の男子生徒に自分の身体の写真を送っていることがわかった。相手に頼まれて複数送っている。相手の写真はない。写真を送った後、娘からは画像を消してほしいと伝え、男子生徒からも消したとの返事がある。これからどのような対処をしたら良いか。

アドバイス

どんなことがあっても裸の写真を他人に渡してはいけない。18歳未満の裸の写真をメールで送信して渡すことも、児童に裸の写真を送らせることも法律違反の可能性がある。法律を知らなかったでは取り返しがつかないこともある。一刻も早く写真の処分を相手にお願いして娘さん自身で確認すること、他人に転送していないかを確認をすることを勧める。相手は同級生であるため、本人同士で話し合うことで解決できる可能性があるだろう。その後、解決したときや、あるいは問題が解決しないなどの場合には学校に相談したり、同じことが起こらないように学校全体に注意喚起をしてもらうのも良い。それでも心配であれば警察に相談することも可能だろう。

ポイント

相手がよく知っている人であっても、裸の写真ではなく顔の写真を送ってほしいと言われたとしても、絶対に相手の言いなりにならないように注意すべきである。どんな写真でも、一度相手に渡れば、それがどこで、どのように使われるかは自分自身でコントロールできないからであり、送信先の相手が削除したと語っても、それを証明する方法がないからである。今回の事例のように、娘の行動を見守り、そのわずかな変化を見逃さず、その場でチェックする保護者の姿勢こそ、問題を深刻化させない第一歩だろう。

相談内容(2014年10月・青少年女子)

ゲームアプリで知り合った人に相談にのってもらった。その人が女性だと思って自分の体の写真を送ってしまった。相談にはしっかりのってくれたが、その人から実は自分は男であると知らされてから連絡が取れなくなった。相手には名前と住んでいる地方も教えた。送った写真は流出されてしまうのか。

アドバイス

相手に送信した画像や情報は取り戻すことができず、相手の行動を制するのは大変困難である。相手が女性であっても、事情があったとしても、18歳未満の裸の写真をインターネットを通じて送ることは法律に触れる可能性のある行為である。今後の対策として、まず相手に伝わっている情報が何かを整理し、相手とのやり取りを消さずに保存しておくと良い。相手に伝えた自分のこと、渡した写真やこれまでのやり取りを揃えて、早急に近くの警察に相談してほしい。写真が万が一インターネット上に無断で掲載された場合には、削除依頼などの対処をすることになる。

ポイント

インターネット上では年齢、性別、性格までも簡単に偽ることができる可能性について考えさせられる事例である。顔が見えない相手には、家族や身近な友人には言えない悩みも気軽に相談することができてしまうのかも知れない。しかし、顔が見えない相手に親切に近づいてくる行為にこそ、落とし穴があることを、青少年にはしっかり認識してほしい。相手が誰であっても、18歳未満の裸の画像を送信することは法律違反となる可能性を、家庭でも話し合いをし、知識を身につけておく必要がある。

相談内容(2014年9月・青少年女子)

アプリで知り合った相手が写真を送ってきたので、自分も友達と写っているプリクラを送った。お互い保存はしない約束だったのに、相手は保存をしたようだった。約束が違うとメッセージを送ったが、胸の写真を送ってくれたらプリクラを消すと言ってきた。それも保存されると思い嫌だと返事をした。その後連絡がない。プリクラは悪用されたりするか。

アドバイス

プリクラの悪用については可能性がないとは言えない。自分の手を離れてしまった以上、コントロールができない。犯罪の可能性があるので、警察に相談に行くこと。できれば親も一緒のほうが良いと思うが、難しければ一人で行っても良いだろう。家族や学校に知られるのが心配であれば、その心配を先に警察でも話すと良い。相手とのやり取りは消さずに残しておき、嫌だと断った箇所、胸の写真を要求された箇所は、念のためスクリーンショットを取っておき、写真も証拠として保存しておくことを勧める。

ポイント

リアルの世界で付き合った相手ではなく、ネット上で出会った相手だからこそ「恥ずかしい」感覚が鈍り、現実の実感を伴わないで「プリクラぐらいなら、大丈夫だろう」と思いがちかもしれない。しかし一度写真を送れば、それを次の要求への踏み台にする例は実に多い。少しでも好感を抱く相手であれば、仲が悪くなるかもしれないと不安になったりするかもしれないが、相手のペースに乗せられてはいけない。自分が嫌なことは絶対に嫌だと伝える勇気こそ、自分自身を守る方法であると忘れないでほしい。

相談内容(2014年7月・青少年女子)

ネットで知り合った男性に性的な画像を送ってしまった。学生証を見せないと画像をばらまくと言われ学生証を見せてしまった。今も画像や動画を要求されている。やり取りを止めようとしたら、学校などに写真をばらまくと言われた。親にも相談できずに困っている。

アドバイス

相手に送信した画像や情報は自分でコントロールすることはできない。送った画像や情報を取り戻すことも、相手の行動を制することも、大変困難であることをしっかり覚えておいてほしい。相手に渡っている個人情報が何かを思い出し、姓名、学校名、住所、メールアドレスなど、何が相手に伝わっているかを一覧できるようにまとめると良い。相手から脅されている以上、早急に近くの警察へ相談に出向くべきだろう。一刻も早く問題を解決するには保護者の協力も必要だろう。相手に送信した画像がインターネット上に無断で掲載された場合には、肖像権の侵害やプライバシー侵害に当たる。掲載された場所が分かれば削除要請を行う方法もある。

ポイント

見ず知らずの相手に「性的画像を送ってしまう」気持ちにさせるものとは、何だろう。同性を装って相手が近づく場合もあるだろう。自分が打ち明ける悩みに真剣に耳を傾け、適切なアドバイスをしてくれる相手かもしれない。最初に相手から裸の画像を送ってくることで警戒心が薄れる場合もあるだろう。どんな状況であっても、相手が写真を送って欲しいと言うのは危険な入り口であることを忘れないでほしい。そして一度流出した画像をすべて回収するのは不可能に近いことも肝に銘じてほしい。

相談内容(2014年5月・保護者・青少年女子)

娘が利用しているスマートフォンを見たところ、友達とのやり取り以外に、男子とやり取りをしていることがわかった。それだけなら良いのだが、相手から裸の写真を見たいというメッセージに下着姿だけならと、送った形跡がある。ただし、写真は残っていないので本当に送ったのかは確認できない。交際自体を否定するつもりはないが、今後エスカレートしないためにどうしたら良いか。

アドバイス

裸の写真は絶対に他人に渡してはいけないと指導してほしい。下着姿であっても、送った側も、要求した側も児童ポルノ禁止法に抵触している可能性がある。子供だから知らなかったでは済まなくなることを本人に認識してもらう必要があるだろう。娘さんには正直に話してもらい、どんな写真を送ったのかを確認する。相手には送った写真を確実に削除してもらうことを娘さんから強くお願いすること。送った写真は取り戻せない。相手が消したと言っても本当に削除されたのか確認することは難しく、写真の転送、コピーなど、自分ではコントロールができないことを娘さんに理解を促してほしい。送った写真の内容や、相手の今後の対応によっては、警察に相談することもできる。

ポイント

自分の下着姿・裸の写真を他人に渡してしまうことが、後々どのようなトラブルに発展する危険性があるのか、青少年には知識をしっかり身につけてほしい。カメラでの撮影やメールのやり取りが簡単にできる機器やアプリは、青少年にとっては友達同士のコミュニケーションに便利なツールであるが、安易な行動をとらないように、保護者の管理と見守りは重要であろう。親子でよく話し合い、利用ルールを定めるとともに、ルールが守られていることを確認する機会を持つことも必要である。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。