相談事例

迷惑メール

相談内容(2017年4月・青少年女子)

スマートフォンに財産調査開始通知書というメールが来て、自分の名前と住所が書かれていた。心当たりはなかったがどうしても不安になりURLをクリックすると、そこにも自分の名前と住所が書かれていた。自分が財産の受取人になっていて、対応が完了していないために諸費用が発生していて損害賠償を請求されると書かれていた。また、連絡をしないと、住所と氏名が誰かに渡されると書いてある。URLはクリックしないほうが良かったのだろうか。怪しいと思ってメールアドレスを変更したので、もう届かないと思うが、無視して大丈夫か。

アドバイス

メールの内容に心当たりがないなら、迷惑メールの可能性が高く、一切関わらないことが正しい対処である。迷惑メールの目的は、相手に連絡をさせて個人情報を収集したり、有料サイトに誘導してお金を請求することである。迷惑メールは一度受信すると、完全に止めることは難しいためメールアドレスを変更したのは適切な対処である。今後、相談者自身が安心できるために、保護者の方にもお話して情報共有しておくことを勧める。

ポイント

この事例のように、公的な通知のように見せかけて、指定したURLにアクセスさせようとするメールが増えている。URLをクリックしたり連絡を取ってしまうと、お金を請求されたり、さらに個人情報を知られてしまう手口である。個人情報が書かれていると不安になってしまうが、心当たりがなければ、絶対にURLにアクセスしたり連絡を取ったりしてはいけない。このような迷惑メールのターゲットにならないために、懸賞サイトやアンケートなど、個人情報を記入するときには慎重に行動することを心がけてほしい。

相談内容(2017年1月・保護者・青少年男子)

息子のスマートフォンに、動画配信サービスの運営会社から有料動画の料金未納を通知するメールが届いていた。不審なメールは開かないほうが良いと聞いたことがあるので、中身はまだ読んでいない。息子にもまだ確認していない。その動画サイトは有名な会社だから、間違いではないと考えて良いのか。もし、有料動画を試聴していたら、請求書はどのように届くのか。

アドバイス

実在する運営会社だったが、その公式ホームページでは架空請求の注意を呼びかけている。まず息子さんに、その会社の有料サービスを利用したのかを確認することを勧める。利用しておらず、心当たりもなければ一切無視してメールを削除すると良い。心当たりがある場合は、支払い義務が本当に生じているかどうかを電子消費者契約法に沿って判断することになる。購入や有料登録の意志がないのに契約が成立してしまったとしたら契約の無効を主張できるので、もしも意図せず有料会員登録されてしまったとしても、慌てて支払ってはいけない。

ポイント

実在する企業やサービスを名乗るメールやSMSメッセージで料金を請求されるトラブルが増えている。その内容に不安を感じたとしても、心当たりがないなら無視しているのが一番良い対応である。中には、実在するサイトの偽サイトへ誘導してIDやパスワード、クレジットカード番号を収集する「フィッシング詐欺」の手口もあるので注意が必要である。青少年は特に、メールの内容に焦ったとしても、一人で対処しようとせずに保護者に相談してほしい。保護者と一緒に送信元アドレスをよく確認し、無視できないと感じたとしてもメールに返信するのではなく、企業の公式ホームページなどで問い合わせ先の確認を行うと良い。

相談内容(2016年10月・青少年女子)

オンラインゲームの運営会社からメールが届き、ゲーム内で使える通貨の購入を知らせる内容だった。ネットで買い物をしたことがないので驚き、慌ててURLを開いてしまった。その後、そのオンラインゲームの公式ホームページを見て、届いたメールが迷惑メールだと分かった。URLを開いてしまったことでスマートフォンがウイルス感染してしまうことはあるのか。また、電話番号や連絡先などの個人情報が流出する可能性はあるのか。URLを開いてしまった時の対処法を知りたい。

アドバイス

心当たりがないメールへの対処方法は、メールを開かないこと、メールに書いてあるURLをクリックしないこと、メールに誘導されて個人情報を書き込まないことである。ウイルス感染の心配に対しては、ウイルス対策ソフトを利用することを勧める。スマートフォンのOSを常に最新状態にアップデートしておくことも大事である。今回のようなメールを受け取らないために、迷惑メール防止対策をすると良い。

ポイント

実在する企業やサイトになりすましたメールが増えている。このような偽りのメールも迷惑メールの一種であり、返信をしたり電話をかけたりすると、自分の連絡先を相手に通知してしまうことになるので注意しなければならない。メールに記載されているURLを開いてしまうと、偽りのホームページで個人情報の入力を促されたりすることもある。有名な企業の名前が書かれていたとしても、差出人のメールアドレスを確認したり、企業の正式な問い合わせ窓口を調べるなどして直接確認すると良い。

相談内容(2016年9月・青少年男子)

間違いメールと思われるメールが数日前から届いている。返事を待っているという内容のメールで、必ず連絡くださいと書いてあるが、差出人の名前は聞いたこともない。間違っていると指摘しようと思ったが、メールを送ったらメールアドレスを悪用されたりするかもしれない。このまま無視した方が良いのか。

アドバイス

相手からのメールの内容を読むと、一見、宛先を間違えて届いたように見えるかもしれないが、返事をしなかったのは、正しい対応である。迷惑メールの送信側は、何とかしてメールに返信させようと、件名や文面を工夫してメールを送ってくることもある。「誰だろう?」と思って返事をすると、自分のメールアドレスが相手に伝わり、迷惑メールを増やす原因となるので注意してほしい。知らない人からのメールは開かずに捨ててしまうことが大事である。

ポイント

知らない人からのメール、心当たりのない内容のメールは、迷惑メールだと考えて対応するのが基本である。インターネットは自己責任が原則の世界だと言われている。心当たりのないメールに、善意で返信をしたとしても、その結果トラブルへと発展してしまうこともある。トラブルに巻き込まれないために自分を守るのは自分自身であり、インターネットの危険性に対する正しい知識だろう。一人だけで判断せず、保護者や家族に相談することも大事なことである。

相談内容(2016年4月・青少年女子)

友達からメールが届き、このメールを◯◯人に転送しないと、友達との仲が悪くなると書いてあった。家族に相談すると無視した方がいいよと言われたが、友達から来たメールなので、無視して本当に大丈夫なのか心配になった。

アドバイス

届いたメールはチェーンメールと呼ばれる。もしメールを転送すれば、受け取った人も悩み、対応に困るだろう。メールの転送が繰り返されれば、大量のメールがインターネット上に溢れることになる。家族の人が話していたとおり、きっぱりと無視するのがベストな対応である。不安であれば、友達に転送するのではなく、チェーンメールの転送先アドレスが用意されているので利用すると良い。

ポイント

他人にメールを回さないと不幸が起きるなど、自分が読んで不安になる内容のメールは、被害の拡大を防ぐために、自分で止めることがマナーであり、チェーンメールへの正しい対応である。チェーンメールは友達から転送されてくるケースが多いが、大切な友達であればこそ、回してきた友達にも忠告ができると良いだろう。メール以外にも、最近ではSNSを通じて拡散を呼びかけるタイプのものもあり、SNSを利用する青少年は注意してほしい。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。