相談事例

架空請求

相談内容(2016年7月・青少年女子)

親に内緒でスマートフォンの制限を解除し、アダルトサイトを検索してアクセスしたら有料登録してしまった。年齢確認も料金表示もなく勝手に登録されたが、12時間以内にお金を支払わないと裁判になると書いてある。まだ電話もメールもしていない。

アドバイス

登録までの経緯を思い出し、有料契約が成立したかどうか考えてほしい。年齢確認や料金表示がなく、自分自身も有料契約に同意の意思表示をしていなければ、契約は無効である。お金を払う必要がなく、解約の必要もない。電話もメールもせずに無視することを勧める。

ポイント

インターネット上では、意思に反して料金を請求されるなど、不正請求サイトに出会ってしまうことがある。夏休み中は特に、保護者の不在中にインターネットを利用する機会も増え、興味本位からアダルトサイトにアクセスしてトラブルに遭ってしまうケースも多い。意思に反して料金を請求されたとしたら、無視する対応が一番良いが、一人で判断して間違った対応をしてしまった例も多く見られる。このようなインターネット上の危険に近づかないための役割を果たしてくれるのはフィルタリングである。フィルタリングは保護者に代わってトラブルから守ってくれる存在であり、その必要性を青少年自身にも理解してほしい。

相談内容(2016年6月・青少年男子)

興味本意で18歳以上と書かれたボタンを押してしまった。すると、会員登録完了画面になり、慌てて退会手続きの電話をしてしまった。電話は繋がらなかったが、あとで相手から電話がかかってきた。電話は無視したが住所を探されないか心配。

アドバイス

有料サービスを提供する側は、利用者にはっきりわかるように料金の説明や利用規約を表示しなければならず、間違えたときには訂正できる画面も用意しなければいけないので、そのような措置がなく登録されたのであれば、登録は成立していない。この場合はお金を払う必要はなく、退会の必要もないので、一切無視しているのが一番良い。相手に電話をかけたり、メールを送信することは、自ら個人情報を伝えてしまう行為になる。電話については引き続き、非通知や知らない番号からの電話に注意し、着信拒否などで対応する。メールを送信しているならば、迷惑メール設定をし、必要のないメールは受信しないようにする。

ポイント

年齢確認だけで有料契約は成立しないため、支払いの必要も、退会手続きの必要もない。退会手続きへと進んでしまうことで、料金を支払うように仕向けられたり、個人情報を収集されることに繋がる。この事例では電話をかけたことで電話番号が相手に伝わり、実際に相手から電話がかかってきていることから、今後も電話の着信には慎重に対応することになる。興味本位で年齢を偽ったことがトラブルの発端であり、ルールを守ることは自分自身の安全を守ることだと覚えてほしい。

相談内容(2016年5月・青少年男子)

アダルトサイトを見ていて、電波が悪いので1度画面をタップしたら、カシャという音がして登録完了になってしまった。誤作動で退会をしようと電話をしたところ、支払いを要求されたので電話を切った。相手には名前と生年月日を伝えてしまった。その後、何度も電話が鳴る。ネットで調べた弁護士に電話で相談をすると、最悪裁判になるだろうと言われた。

アドバイス

有料の契約、利用規約に同意をしていないのであれば、契約は成立していないので、お金を払う必要も、退会の必要もない。ただし、電話をかけていることで、相手に電話番号が伝わっているので、知らない番号や非通知の電話には注意をし、着信拒否などで対応する必要がある。弁護士については、裁判に絶対にならないとは言い切れないが、契約に同意をしていない以上は、堂々と無視をしていて問題はない。

ポイント

未成年者はアダルトサイトを利用できないはずであるが、年齢を偽って先の画面に進んでしまいトラブルに巻き込まれていることがとても多い。アダルトサイトを利用しているためか、自分だけで解決しようとメールを送信したり、電話をかけトラブルを広げてしまう例も後を絶たない。また、インターネットで調べた調査会社、弁護士などに相談をし、お金を更に請求される例も少なくないので、焦らずまわりにいる信用できる大人に相談をすることを覚えてほしい。

相談内容(2016年4月・保護者・青少年男子)

子供にスマートフォンを購入したばかり。学校の友達から教えてもらったサイトを調べているうちに、アダルトサイトに入ってしまい、年齢確認もないままに登録完了になった。登録を解約するために子供から相手へ電話をかけてしまった。

アドバイス

自分の意思で利用規約や有料契約に同意をしていないのであれば、契約は成立していないと考えられ、お金を支払う必要も、解約もする必要がないのできっぱりと無視をする。電話をかけたことで、スマートフォンの電話番号が相手に伝わっているため、今後、料金請求の電話や脅すような内容で着信があるかもしれない。着信時には必ず電話番号を確認し、心当たりがない電話番号や非通知の着信には出ない対策をする。相手からの電話の着信が続くようなら着信拒否をしたり、電話番号の変更などで対応すると良いだろう。

ポイント

有料契約が成立していないにもかかわらず、高額請求を受けてしまうのが架空請求のトラブルである。トラブルの発端となる行為としては、興味本位で18歳未満利用禁止のアダルトサイトに入ってしまったというケースが非常に多い。新学期や新入学を迎える4月は、初めてスマートフォンを手にする子供も増え、架空請求の相談も増える時期である。この機会に、インターネット上の危険や正しい知識を身につけるように親子で話し合いをしてほしい。危険なサイトへのアクセスを防ぐために、フィルタリングの利用や家庭内でのルールについても検討してほしい。

相談内容(2016年3月・青少年女子)

間違えてアダルトサイトに入ってしまい、焦って画面を連打すると、シャッター音と共に会員登録された。誤作動登録された場合と書かれたボタンをクリックして、電話をかけてしまった。未成年であることを伝えると、身分証を送るように言われ、メールで学生証の画像を送ってしまった。

アドバイス

電子消費者契約法に沿って考えると、錯誤による契約の無効を主張することが可能であり、退会する必要もお金を払う必要もない。きっぱりと無視をする対応が一番良い。しかし、相手に電話をかけ、学生証の画像をメールで送信したことで、個人情報が伝わったと考えられる。今後、相手の電話番号を指定して着信拒否設定をすることを勧める。メールについては、迷惑メール拒否の設定をする。学生証に住所が書いてある場合は、もしも今後、身の回りで不審な人を見かけたり、心配な事が起きるようなら、迷わず学校の先生や家族に相談してほしい。一人で判断して解決しようとしないこと。

ポイント

アダルトサイトに有料会員登録されてしまった場合でも、トラブルを増やさないためには落ち着いて行動しなければならない。この事例のように、シャッター音でカメラが作動したように思わせて、利用者を焦らせる手口もあるようだ。退会手続きへと誘導する案内は親切な対応に見えるが、利用者から連絡をさせて個人情報を収集しようとしている可能性もある。このように架空請求の手口は複雑化しているため、新学期、新入学を迎えるこの時期に、あらためてフィルタリングや有害サイト対策について家庭で話し合いができると良い。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。