相談事例
架空請求
相談内容(2012年10月・青少年男子)
スマートフォンで変なアプリをダウンロードしてしまった。その後、電話がかかってきて料金を請求された。そのときに「未成年ですか?」と聞かれたので「はい」と答えると、「払わなくてよいから今度から気をつけてください」と言われた。しかし不安になり自分からも電話をしてしまった。相手から「心配しなくてよい。これからは18歳以上のサイトの利用はやめるように」と注意された。その後は電話もメールもない。こちらからも連絡していない。今後、本当に請求されないのか?
アドバイス
アプリをダウンロードしたことにより、少なくとも電話番号は相手に知られているため、今後また請求を受けないために、知らない番号からの電話や、非通知でかかってくる電話には慎重に対応してほしい。知らないアドレスからのメールも無視して削除してよい。今後は利用規約を良く読み、危険なサイトには近づかないように。
ポイント
不安を掻き立てるような言葉を相手が送ってきたら、決して怖がらずに冷静な対応が必要である。1人で悩まず、周囲の大人に思い切って相談することも大切である。アプリをダウンロードする場合は、一般サイトからではなく、携帯電話会社等の公式ストアを利用するとよい。アプリをインストールする時には注意事項をしっかり読み、不安であればインストールを見送る決断も必要であろう。セキュリティ対策ソフトを利用して、危険リスクから自分を守る方法も検討してほしい。
相談内容(2012年9月・青少年女子)
一年程前、公式のアダルトサイトに登録してしまい、料金を請求された。架空請求ではなく映像送信型性風俗特殊営業取得とも書いてある。一年前は退会申請しても料金未払いのため退会できなかった。昨日、なぜか不安にかられ退会申請を出してしまった。 もうすぐ登録から一年、請求されたらどうしたらよいか?親にも相談できず毎日が不安で辛い。
アドバイス
有料だと気づかずに登録へと進んでしまい、取り消しができない状況だったとするなら、電子消費者契約法違反だと考えられる。電子消費者契約法では、事業者は、消費者に対して申し込み内容を再度確認させるための画面を用意する必要がある。確認措置がない場合、申し込みは無効であると主張できる。従って、お金を支払う必要はない。登録自体が成立していないので退会をする必要もない。今後、さらに料金を請求するメールや、他の有料サイトに誘導するメールが増える可能性がある。迷惑なメールを受信しないように迷惑メール防止対策をすると良い。
ポイント
「公式アダルトサイト」、「架空請求ではない」、「映像送信型性風俗特殊営業取得」といった言葉は、料金請求が正当なものだと利用者に信じ込ませてお金を支払わせるための手法であるが、青少年はこうした言葉を信じてしまう。さらに、「いけないことをした」という思いから親に相談できずに長い間ひとりで不安を抱え、自分だけで解決しようとするケースが見られる。青少年だけの判断で自らトラブルを大きくする行動をしてしまわないために、何かあったらすぐに保護者に相談することが必要であろう。保護者も、子供が携帯電話を安心・安全に使っているか、トラブルに巻き込まれていないか、日々見守る姿勢が大切である。
相談内容(2012年8月・青少年男子)
スマートフォンでアダルトアプリを無料だと思いダウンロードした。数日後、電話がかかってきて年間費を請求された。相手は自分がダウンロードした動画の名前を言っていた。これは架空請求なのか?電話番号を知られることによって住所がばれて取り立てに来るのか?
アドバイス
動画の視聴が有料で金額がはっきりと提示されていない状況だとすると、電子消費者契約法に違反する行為だと考えられる。電子消費者契約法では、事業者は、消費者に対して申し込み内容(請求金額他)を再度確認させるための画面を用意する必要がある。確認措置がない場合、申し込みは無効であると主張できる。年間費用も無視してよい。アプリをダウンロードした際に、スマートフォンを狙ったワンクリック詐欺が多く発生しており、電話番号やメールアドレスを盗み出された可能性がある。相手からの電話には絶対に出ないことが大切。非通知でかかってくる電話にも容易に名乗ったりせず、相手の様子を伺いながら十分に注意してほしい。執拗に電話がかかる場合には、着信拒否にしたり、自分の電話番号自体を変更して対応する。
ポイント
夏休み期間中は青少年からの架空請求の相談が急増し、その半数近くがスマートフォンを使用していてのトラブルであった。スマートフォンで利用できるアプリは無数に出回っており、個人情報やアドレス帳の情報等を抜き取る不正なアプリも多数存在する。ウィルスやセキュリティの知識、対策が不十分なまま安易にインターネットを利用しアプリをダウンロードすることは非常に危険であり、アドレス帳の情報が抜き取られた場合には、第三者にも迷惑をかける行為となる。インターネットに潜む危険や、フィルタリングの利用など家庭でしっかりと話し合ったうえで安全に利用してほしい。
相談内容(2012年7月・青少年男子)
スマートフォンでネットからアダルトのアプリをダウンロードしてしまった。その後にお金の請求画面が出たので怖くて電源を切った。その時は何もなかったので放置していたら、しばらくして電話があり、誤って電話に出てしまった。名前も知られており、未成年の確認のために生年月日を聞かれたので答えてしまった。お金の請求はされてないが怖い。
アドバイス
意思に反して登録され請求画面が現れたのであれば、お金を支払う必要はない。スマートフォンではアプリをダウンロードした際に、位置情報や電話番号、メールアドレス等が抜き取られることがある。今回の電話が、ダウンロードしたアプリに関する業者ならば、何の情報を抜き取られたのかダウンロードしたアプリで確認をしておくと良い。また、知らない番号からの電話には出ずに着信拒否をする。メールアドレスも相手に伝わっているようであれば、不当な請求等の迷惑メールが今後送られてくる可能性もあるため対策をしておくと良い。
ポイント
この事例では、スマートフォンでアプリをダウンロードしたことにより電話番号が相手に送信され、請求電話がかかってきた可能性がある。スマートフォンが普及するにつれて、このような不正なアプリに起因するトラブルが発生している。スマートフォンは従来の携帯電話とは異なり、本格的なパソコンと同じという認識をもち、インターネットのアクセスには今まで以上にセキュリティを意識した使い方をする必要がある。
相談内容(2012年6月・青少年男子)
回収会社を名乗る人から電話がきて、サイトの後払いがされてないと言われお金を振り込めと言われた。その時に自宅の住所と電話を答えてしまった。家まで来ると言われ怖い。そのサイトにアクセスはしたが、後払いのポイントを購入したのかは覚えていない。回収会社側によると履歴に残っているとのこと。実際に後払いで購入していたらどうすればよいか?その後、請求通知表がきた。今回の郵送に限り「請求書作成料・郵送手数料」は加算しないとあるが無視して大丈夫か。
アドバイス
お金を請求される覚えがないのであれば、かかってきた電話は「架空請求」である可能性が考えられる。利用していないサービスに対してお金を振り込む必要はないので請求は無視する。支払う義務があることが明確でないならば、一切無視していることがベストな対処。相手にお問い合わせをすることも控えてほしい。
ポイント
請求電話の相手に住所を答えてしまい、家に請求通知が届いた事例。相談者はサイトを利用した心当たりがあったため、お金の請求を無視できないと感じたようだが、有料サービスを本当に利用したのか、相手の言葉をうのみにせず、しっかり確認し、支払い義務がはっきりするまでは請求に応じないことが大切である。このような状況で、法律知識の乏しい青少年ができる対策は、身近にいる大人に相談して一緒に解決してもらうことであろう。
※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。