相談事例
架空請求
相談内容(2017年8月・青少年女子)
SNSから変なサイトに繋がってしまった。アダルトサイトが開き、有料会員登録が完了したと表示され、キャンペーン中の料金が書いてあった。誤作動の場合は連絡するように書いてあったので186から始まる番号に電話をかけた。しかし誰も出ず、数回かけ直したが通じなかった。連絡をしないと請求書を発送すると画面に書いてあるが、本当に送られてくるのだろうか。
アドバイス
電子消費者契約法、特定商取引に関する法律に沿って考え、契約が成立していないならば、お金を支払う必要も、解約のために連絡をする必要もない。ただし、電話番号の先頭に「186」を付けて発信したことにより、相手に電話番号が伝わり、今後、相手から電話がかかってくる可能性がある。相手の番号、非通知や心当たりがない番号からの電話には出ないように注意してほしい。電話番号からスマートフォンの契約者の名前や住所を調べるのは難しく、請求書が送られてくる可能性については心配しなくても良いだろう。
ポイント
日常のコミュニケーションによく使うSNSにも、アダルトサイトや出会い系サイトのような怪しいサイトに誘導される危険が潜んでいる。SNSに掲載されているリンクやURLを安易にタップしたり、知らない人からのメッセージに応じるといった行為はトラブルに繋がりやすい。意図せず怪しいサイトを開いてしまった場合は、慌てずに行動することが大事である。この事例のように、誤作動という言葉で連絡をするように誘導されても、絶対に自分から連絡してはいけない。困って電話をかけてくる利用者の電話番号を収集することが狙いである可能性もあるので注意してほしい。
相談内容(2017年7月・青少年男子)
通話機能がなく、インターネットを見るためだけに使っている端末で、興味本位でアダルト動画サイトをクリックしたら年齢確認のページが出てきた。18歳以上をタップしたら突然登録完了になって、利用料を支払うように書いてあった。びっくりして取り消してもらおうと思い、そこに書いてあった電話番号へ家の固定電話からかけたが誰も出なかった。その直後に、そこから電話がかかってきたので出ると、登録完了になっているので料金を支払うように言われた。
アドバイス
年齢確認だけでは有料契約に同意をしたことにはならず、自分自身の意思で有料契約に同意をしたのでなければ、契約の無効を主張することができる。お金を払う必要はないだろう。相手と関わらないことが一番良い。ただし相手に電話をかけたことで電話番号が伝わり、相手から電話の着信があったと思われる。今後、電話の着信時には番号を確認し、相手の番号、知らない番号、非通知でかかってくる電話に出ないように注意してほしい。家族全員が同じように対応できるように、保護者にもお話ししてほしい。
ポイント
インターネット上には悪意あるサイトが潜んでおり、不正に料金を支払わせようと仕向けるワンクリック請求サイトも後を絶たない。その手口は巧妙化しており、青少年は突然料金を請求されれば、契約してしまったと信じ込んでしまうだろう。それが、年齢を偽ったり、保護者との約束を守らなかったことが発端だとしたら、保護者にも相談できずに一人で対処しようとしてしまうだろう。その結果、トラブルを増やしてしまっているケースも少なくない。子供に専用のスマートフォンやモバイル端末を持たせている家庭では、日頃からインターネット上の危険について親子で正しい情報共有し、被害防止を意識してほしい。
相談内容(2017年6月・青少年男子)
スマホで検索をしていて、結果の1つをタップしたら、いきなり登録完了画面へ行ってしまい、OKしか押せなかったので押してしまった。料金の支払期限と、郵便物を送ると書いてあった。しかし住所は伝えていないので郵便物は届かないと思う。電話連絡をすれば登録を削除すると書いてあったので電話をかけると、相手の人に、削除しておくのでもう電話かけてくるなよと言われた。これは架空請求か。
アドバイス
自分自身が有料会員登録の意思表示をしていなければ、法律に沿って考えれば契約は無効である。相手には住所も名前も伝わっていないので、無視しているのが一番良い。しかし電話をかけているので、今後、電話がかかってくる可能性も考えて注意してほしい。相手の番号、知らない番号、非通知からの電話には出ない対応を勧める。これは架空請求の事例でよく見られるパターンであるが、何より自分自身が契約に同意をしていなければ請求は無効である。
ポイント
この事例は、インターネットで動画などを閲覧しようとして1回クリックしただけで会員登録が成立したような画面を表示し、料金を請求する、いわゆるワンクリック請求の一例だろう。利用者の不安をあおるような文章を並べ、解約のために連絡するように仕向けるのもワンクリック請求の手口の特徴である。スマートフォンの普及とともに、その利用者を狙った不正請求のトラブルが増えている。トラブル防止のためには、こうした手口を理解すること、怪しいサイトに近寄らないこと、画面の説明をよく読むなどの習慣を身につけることが大事である。
相談内容(2017年5月・青少年女子)
調べ物をしていたときに間違えて有料サイトをクリックしてしまった。誤作動での退会申し込みをしたが、退会処理ができていないというメールが届き、登録後12時間以内に電話がない場合は利用意思のあるお客様と判断し、お金を支払ってくださいと書かれていた。そのメールは迷惑メールに入れたが、これ以上の対処の仕方が分からない。
アドバイス
有料契約に同意をしていないのであれば、契約は成立しておらず、料金を支払う必要も、退会をする必要もないので、きっぱりと無視することがベストな対応である。相手にメールを送信していることから、メールアドレスが相手に伝わっている。今後も支払いを催促するメールや、読めば不安になるメールが届くかもしれないが、契約が成立していないならば無視を続ける。必要のないメールを受信しないように、迷惑メール拒否の設定をすると良い。もし電話をかけているならば、相手の電話番号からの着信を拒否する。非通知・知らない番号からの電話にも出ないように気をつけてほしい。
ポイント
新学期や新入学などを機に携帯電話、スマートフォン、インターネットを使い始める青少年が少なくないが、架空請求は、その使い始めの時期に遭いやすいトラブルである。突然の出来事に知識がないまま対応してしまい、この事例のように巧みに誘導されて架空請求業者に連絡をするなどして心配事を増やしてしまうことになる。勉強や趣味に便利なインターネットだが、有害サイト、悪質なサイトが存在することや、そのようなサイトに意図せずアクセスしてしまうリスクもあることを知り、対処法を身に付けた上で利用することが大事である。
相談内容(2017年4月・青少年女子)
タブレットで調べ物をしていて、検索で出てきたサイトを開き、動画の再生ボタンを押したらカメラのシャッター音が鳴り、会員登録されたと表示された。すぐに登録解除が必要で、数日以内に振り込まなければ直接請求すると書いてあった。焦って画面を消してしまったのだが、どうしたら良いか。電話をかけたり、メールを送ったりしていない。再生ボタンを押したときに、画面をよく見なかったが、料金の説明などはなかったと思う。
アドバイス
動画再生ボタンを押すことで料金が発生するとは知らず、会員登録をする意思がないのに勝手に登録されたのであれば、法律に沿って考えれば錯誤(さくご)による無効の主張が可能である。会員登録、有料契約は成立しないので、お金を請求されたとしても支払う必要はなく連絡もしなくて良いだろう。このまま何もしなければ請求書も届かないだろう。しかし、画面をよく見ずに再生ボタンを押したり、利用規約を読まずにサイトを利用するのは危険なことなので、今後は慎重に行動してほしい。
ポイント
調べ物や勉強にインターネットを利用することが日常化し、うっかり有料サイトに登録されて料金を請求されるトラブルが絶えない。シャッター音が鳴り写真を撮影されたと錯覚させたり、解約のためにすぐに連絡するように仕向けるなどは、架空請求の手口として多く見られる。青少年は、このような場面では焦って一人で行動してしまいがちである。トラブルを大きくしないためには、落ち着いて保護者に相談をして、架空請求だと確認したうえできっぱり無視することが一番良い対応である。保護者は、インターネットにアクセスできる機器ではフィルタリングを利用し、危険を回避できる環境をしっかりと整えてほしい。
※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。







