相談事例

架空請求

相談内容(2017年5月・青少年女子)

調べ物をしていたときに間違えて有料サイトをクリックしてしまった。誤作動での退会申し込みをしたが、退会処理ができていないというメールが届き、登録後12時間以内に電話がない場合は利用意思のあるお客様と判断し、お金を支払ってくださいと書かれていた。そのメールは迷惑メールに入れたが、これ以上の対処の仕方が分からない。

アドバイス

有料契約に同意をしていないのであれば、契約は成立しておらず、料金を支払う必要も、退会をする必要もないので、きっぱりと無視することがベストな対応である。相手にメールを送信していることから、メールアドレスが相手に伝わっている。今後も支払いを催促するメールや、読めば不安になるメールが届くかもしれないが、契約が成立していないならば無視を続ける。必要のないメールを受信しないように、迷惑メール拒否の設定をすると良い。もし電話をかけているならば、相手の電話番号からの着信を拒否する。非通知・知らない番号からの電話にも出ないように気をつけてほしい。

ポイント

新学期や新入学などを機に携帯電話、スマートフォン、インターネットを使い始める青少年が少なくないが、架空請求は、その使い始めの時期に遭いやすいトラブルである。突然の出来事に知識がないまま対応してしまい、この事例のように巧みに誘導されて架空請求業者に連絡をするなどして心配事を増やしてしまうことになる。勉強や趣味に便利なインターネットだが、有害サイト、悪質なサイトが存在することや、そのようなサイトに意図せずアクセスしてしまうリスクもあることを知り、対処法を身に付けた上で利用することが大事である。

相談内容(2017年4月・青少年女子)

タブレットで調べ物をしていて、検索で出てきたサイトを開き、動画の再生ボタンを押したらカメラのシャッター音が鳴り、会員登録されたと表示された。すぐに登録解除が必要で、数日以内に振り込まなければ直接請求すると書いてあった。焦って画面を消してしまったのだが、どうしたら良いか。電話をかけたり、メールを送ったりしていない。再生ボタンを押したときに、画面をよく見なかったが、料金の説明などはなかったと思う。

アドバイス

動画再生ボタンを押すことで料金が発生するとは知らず、会員登録をする意思がないのに勝手に登録されたのであれば、法律に沿って考えれば錯誤(さくご)による無効の主張が可能である。会員登録、有料契約は成立しないので、お金を請求されたとしても支払う必要はなく連絡もしなくて良いだろう。このまま何もしなければ請求書も届かないだろう。しかし、画面をよく見ずに再生ボタンを押したり、利用規約を読まずにサイトを利用するのは危険なことなので、今後は慎重に行動してほしい。

ポイント

調べ物や勉強にインターネットを利用することが日常化し、うっかり有料サイトに登録されて料金を請求されるトラブルが絶えない。シャッター音が鳴り写真を撮影されたと錯覚させたり、解約のためにすぐに連絡するように仕向けるなどは、架空請求の手口として多く見られる。青少年は、このような場面では焦って一人で行動してしまいがちである。トラブルを大きくしないためには、落ち着いて保護者に相談をして、架空請求だと確認したうえできっぱり無視することが一番良い対応である。保護者は、インターネットにアクセスできる機器ではフィルタリングを利用し、危険を回避できる環境をしっかりと整えてほしい。

相談内容(2017年3月・青少年女子)

保護者名義のタブレットを借りて興味本位でアダルトサイトを開いてしまった。ページには年齢確認や料金の表示はなく、たくさん画像が並んでいて、再生ボタンを押すとカメラのシャッター音が鳴り、「登録ありがとうございました」と表示された。自分自身ではメールアドレスや住所は入力していないが、個人情報が登録されてしまったのか。お金を請求されるのか。

アドバイス

自分の意思で有料登録の手続きをしたのでなければ、法律的には取引は成立しないので、お金を支払う必要はない。万が一請求されてもきっぱりと無視をして良いだろう。住所や名前、電話番号などは、サイトを見ていただけでは伝わらず、画面に「登録完了」と表示されていたとしても、登録するような情報は伝わっていない。有料契約は成立しないので、このまま何もせず無視していれば何も起こらないだろう。

ポイント

有料契約が成立していないにもかかわらず、高額請求を受けてしまうのが架空請求のトラブルであり、小学校高学年から徐々に増え始め、中学生になると急激に増える。トラブルの発端は、興味本位で18歳未満利用禁止のサイトを開いたことによるものが多い。子供自身が専用の端末を持っていなくても、保護者のスマートフォンやタブレットを利用している家庭では、青少年にふさわしくないサイトへのアクセスを防ぐために、フィルタリングの利用を検討するとともに、家庭でのルールについてよく話し合っておくことが大事である。

相談内容(2017年2月・保護者・青少年男子)

子供がスマートフォンで架空請求サイトを開いたようで、料金が発生してしまい、保護者に内緒で登録解除のためにスマートフォンから電話をかけてしまった。電話で少しやり取りをしたようで、相手から親に代わるようにと言われて初めて保護者のところに言いに来た。保護者が電話を代わると、その時点では電話が切れてしまっていた。画面にはIPアドレスとか、登録したという情報が書いてある。IPアドレスから住所までは伝わらないと思うが、どうしたら良いか。

アドバイス

電子消費者契約法で定められているように、年齢確認や有料の表示を見て、契約に同意をする意思があって画面を操作したのでなければ契約は無効である。意図せず登録されてしまい登録完了前にキャンセルの措置がなかった場合も無効である。今後は、相手からの電話に注意してほしい。IPアドレスから確認できる情報は限られており、個人の特定にたどり着くのは難しい。今後、お子さんの安全のためにもフィルタリングを利用してほしい。

ポイント

架空請求トラブルでは、この事例のように、青少年が一人だけで対応しようとして本格的なトラブルへと発展してしまうケースも多く見られる。経験が未熟な青少年は、興味本位で軽率な行動をとってしまいがちであり、トラブルにも出会いやすい。今回の経験を通じて、親子で正しい知識を得て、インターネットの安全な利用について話し合えると良いだろう。また、子供の学齢に応じたフィルタリングを利用することも、今後のトラブル再発の防止につながる。フィルタリングは子供を制限する仕組みではなく、子供が安心してインターネットを利用できるように保護者に代わって守ってくれるツールだと考えてほしい

相談内容(2017年1月・保護者・青少年男子)

子供が家族共有のタブレットでアダルトサイトを開いてしまい、無料だと思って動画再生ボタンを押すと、有料登録されてしまった。誤作動登録の場合は24時間以内に登録削除の連絡するように、という画面が出ている。しかし、その画面を消そうとすると電話の発信画面になる。タブレットなので電話はかからず、ホーム画面に戻るが、ブラウザを開くとまた登録画面が表示されてしまう。

アドバイス

電子消費者契約法に沿って考えると、有料契約に同意していないのであれば有料登録は無効だと言えるのでお金を支払う義務は生じない。誤作動で登録したわけでもないので、連絡をする必要もなく、このまま無視しているのが良いだろう。ブラウザを開くたびに登録画面が出てくる状況については、ブラウザの履歴とキャッシュを消去することで解決するかもしれないので試してみると良い。

ポイント

動画の再生ボタンを押しただけでは、法律上は契約が成立したとは言えない。巧みな手口に大人でも対応に迷ってしまうが、自分自身で有料契約に同意の意思表示をしたのでない限り、お金の請求に応じてはいけない。このようなトラブルを防ぐために、家族で利用するタブレットにもフィルタリングを利用し、ウイルス対策も行うことが望ましい。インターネット上には子供にふさわしくない有害情報、人を騙す仕掛け、ウイルス感染の危険などが氾濫していることを認識した上で、子供とインターネットの利用ルールを話し合い、しっかり見守ることが大切である。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。