相談事例
削除方法
相談内容(2013年6月・保護者・青少年女子)
娘が友達のスマートフォンで、別の友達(A子)のブログを見せてもらったところ、ブログにはA子と一緒に写った自分の写真が掲載されていた。はっきりと顔が分かる写真だったため娘は嫌な気持ちになり、A子に「消してほしい」と伝えた。しかし「何でブログを見たのか」と責められたと言う。このような場合に自分の顔が写っている写真を消してほしいと相手に伝えるのは、一般的な常識から言って正しいことなのか、それとも言ってはいけないことなのかを知りたい。
アドバイス
ホームページやブログ等に掲載する写真で、他人が写っている場合は必ず掲載許可を得ることはネットのマナー上守るべきである。はっきりと顔が分かる写真であり、その掲載を止めてほしい気持ちだとするなら、相手に伝えて掲載中止の対応をしてもうらべきだろう。担任の先生に相談し、インターネット利用のマナーについて注意喚起してもらいながら削除の対応をお願いしてみることを勧めた。
ポイント
インターネットの世界で「知らなかった」では済まされない事柄があり、それらがインターネットのルール&マナーと呼ばれている。この事例のように自分の顔がはっきりと分かる写真が載せられたことで、トラブルに巻き込まれる可能性も否定できない。他人から無断で写真を撮られたり、その写真を無断で公表されたりしないように守られている、これが肖像権である。自分が撮影した写真でも勝手に公開するのではなく、そこに写った人がどんなに親しい人であっても、必ず許可を得ることを覚えておく必要がある。
相談内容(2013年5月・保護者・青少年女子)
ネット上の複数の場所に子供のフルネームと中傷する内容が書き込まれており、消したいのだが、消すことによって相手を刺激してしまう可能性があるので悩んでいる。書き込んだのが誰かは分かっている。子供はこのことはまだ知らないが、噂にならないうちに消したい。
アドバイス
削除するか放置するかで悩んでいるとのことだが、相談者もご存知のとおり削除依頼をすることによるリスクもあるので、どちらがよいかは一概に言えず、当事者しか決められないだろうと伝えた。娘さんに見せたくない、という気持ちが一番強いようなら、リスクも踏まえつつ削除依頼をしてはどうかと話した。削除をする場合は、それぞれのサイトの管理人、または運営会社に削除依頼を出す方法があると説明した。
ポイント
ネット上で中傷を受けてしまった場合、最も望ましい対処は、書き込んだ本人に削除させることであるが、それが難しい場合はサイト運営側に削除依頼をすることになる。しかし、削除をすることで書き込みがエスカレートしてしまうケースや、他の場所にもコピーされ、完全に削除することが困難になるケースもある。こうしたリスクも想定しながら、子供にとって最善の対処を考えて選択する必要があるだろう。
相談内容(2013年4月・保護者・青少年男子)
息子の名前でネットで検索したらSNSの息子のページが出てきた。プロフィールには何も書いていない。投稿も他愛ない内容だったが、名前で検索して出てくるのは好ましくないと息子に伝えてサービスを退会した。退会にあたりIDやパスワードを覚えていなかったため苦労して削除した。ところが現在検索すると、別のサイトに息子の投稿が出てくる。それをクリックすると「ページが存在しない」と出てくるのだが投稿の削除を行いたい。
アドバイス
サイトの説明を読み、削除済みのユーザの情報は定期的に自動的に削除されることが分かった。削除されるまでもう少し待ってみる必要がある。もしそれでも削除されないようであればサイト管理者宛てに連絡をする。尚、他のサービスへの登録がどういう状態かを、この時点で再確認するとよい。特にプロフィールの公開範囲について確認が必要なので息子さんと一緒に確認してほしい。
ポイント
インターネット上のサービスの形態が複雑になり、特にSNSでは連携するサービスが複数存在し、発信した情報が共有されていることがある。その場合の削除依頼は、連携するサービスの1つ1つに対して行う必要がある。情報が掲載されている場所を確認し、それぞれの運営会社の手順に従って削除依頼をすることになる。こうした仕組みのことを知り、慌てずに対処できる姿勢が今後のネット利用では必要になるだろう。しかし、削除依頼をしても完璧に消えるとは限らず、一度出してしまった情報を消すことは簡単ではないことも知っておくべきである。
相談内容(2013年3月・保護者・青少年男子)
息子が嫌がらせで住所・氏名・電話番号と事実無根の内容をネットに書かれた。その書き込みは削除されたが、検索結果には出てきてしまう。検索エンジンに削除依頼をして1週間ほど経つがまだ消えない。
アドバイス
削除依頼をしてどの位で消えるのかは公表されていないが、元のページが消えているのであれば、検索エンジンからも消えるはずである。相談者は印刷したページに書かれているURLを見て1文字づつ入力しているようだったので、直接入力では間違えがあるかもしれないので、パソコンの操作でURLをコピーして貼り付け、もう一度削除依頼をすると良いとアドバイスした。
ポイント
元の情報が削除されたのであれば、検索エンジンの更新ロボットによる次の巡回でデータが新しくなるはずである。しかし、検索結果からも完全に消えるには物理的な時間が必要であり、気持ちに余裕を持つことも必要であろう。ホームページやブログを作ったり、掲示板へ書き込みをする側も、その内容は世界中の人が見ている可能性があり、発言が永遠に残ることもあることを覚えておかなければいけない。
相談内容(2013年2月・青少年男子)
友達がSNSで、中学生の女子と知り合った。その女子は友達にわいせつな画像などを沢山送りつけてくる。自分はその女子に面白半分で「しね」とメッセージを送ってしまった。そのメッセージに対して返信がきたが、無視をしていたら、いきなりわいせつな画像が送られてきた。怖くなったのでやめてくれなどの返事をしていたら「顔を見せてくれ」と言ってきたので絶対どこにも晒したりしないという約束で顔写真をあげた。数日後、自分のブログを見てほしいと女子からメールがきたので見てみたら、写真、氏名、メールアドレスなど自分の個人情報を載せられていた。ブログの運営側に通報をしたが全く消してくれない。
アドバイス
個人情報の削除方法を詳細に教え、1週間程度は様子を見てほしいことを伝えた。今回のトラブルは、わいせつな画像を送ってきた人を相手にしたことから始まっている。見ず知らずの人にわいせつな写真を送るという相手の行為は、インターネットを利用する上でのルールに反しており、場合によっては犯罪行為になる。このようにルールを脱して利用している人を相手にしてしまうことは、自らトラブルを招いているともいえる。インターネットに自己防衛は不可欠である。
ポイント
不用意な書き込みや感情的な言葉は相手を傷つける行為であり、報復される可能性もある。モラルやルールに反する書き込みは気をつけねばならない。更に、相手に渡ってしまった情報はどう使われるのは予測ができず、ネットに流れてしまった情報を完全に取り戻すことは不可能であり、一部でも取り戻すことは容易ではない。自分のことは自分で守るしかない等、インターネットの特性をよく理解できてから他人とのコミュニケーションは利用してほしい。
※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。